先日、サンダサとの契約解除を発表したFC東京。昨年わずか2試合の出場で終わったラサッド、目立った活躍なく退団したカニーニに続き、なかなか外国人がうまく当たらないという状況が続いている。
しかし、現在練習参加していると言われる外国人選手にはこれまでにない期待が集まっている。アジアでの経験が豊かで、AFCチャンピオンズリーグでも実績を持っており、Jリーグのクラブも苦しめられた選手だからだ。
それは広州恒大に所属していたことでも知られるブラジル人FW、ムリキである。
Qolyでは昨年Yosuke氏のコラムで取り上げており、無所属の状態が続いていた彼がついに日本へやってくる! と大きな話題だ。
AFCチャンピオンズリーグを視聴したことがある方々にとっては熟知している選手であろうが、改めてムリキという選手は何者なのかということを取り上げてみよう。
ブラジル時代、あの噂のクラブにいた!
1986年生まれのムリキ。日本のファンがその名前を知ったのはおそらく3~4年前だろうが、意外と年齢は高い。
ブレイクしたのは2010年から所属した広州恒大でのプレーであったが、それ以前はブラジルの国内リーグに所属していた。
若くして大きな活躍をすることが多いブラジル人選手の中においては、比較的ムリキは遅咲きだ。マドゥレイラの下部組織からヴァスコ・ダ・ガマ、パイサンドゥ、イラチ、アヴァイーに貸し出されていたが、それほどの評価は与えられていなかった。
そして、2008年に加入したのはあの“デスポルチーヴォ・ブラジウ”だ。2005年に設立されたクラブで、現在はパウリスタ州の4部に所属しているにもかかわらず、マンチェスター・ユナイテッドとも提携している。
このクラブは非常に珍しい経営方針を持っており、選手を売り買いするためだけのチームなのだ。保有している選手を様々な場所に貸し出し、高値で買ってくれるところを探し、そして利益を得る。
2012年にアルビレックス新潟へやってきたブルーノ・ロペスもこのクラブのシステムから移籍してきた選手である。
ムリキはそこからヴィトーリア、イトゥアーノと貸し出され、その後所属したアヴァイーとアトレチコ・ミネイロで活躍。
そこから2010年に広州恒大へと移籍したが、その際の違約金は350万ドル(現在のレートでおよそ4億円)という価格であった。つまり、高いは高いにしても、「爆買い」というほどの価格でもなかったとは言える。
決してトップレベルの待遇で引き入れられたわけではないが、当時2部に所属していた広州でいきなり14試合13ゴールを決める活躍を見せ、アジア屈指の外国人助っ人として名を馳せることになったのだ。