国際Aマッチデーの中、アフリカ各地ではロシアW杯への2次予選が行われている。
その中、先日Qolyでも紹介した元カメルーン代表の伝説的DF、リゴベール・ソングがチャド代表を率いて、アフリカの強豪・エジプトに1-0で勝利する大金星を挙げた。
チャドは2015年11月のFIFAランクで175位から136位まで一気に上げてはいたものの、2次予選に進んだ40チームの中では下から2番目で、55位のエジプトからは79ランク、CAF加盟協会の中だけでも44位対11位と33ランクも低かった。実際、今年の9月6日にチャドの首都ンジャメナで行われたアフリカネーションズカップ2017・ガボン大会の予選では、チャドはエジプトに1-5と完敗していた。
しかし、同じスタジアムで11月14日に行われたW杯2次予選での1stレグでは、チュニジアのCSスファクシアンに所属する長身FW、エゼシエル・エンドゥアセルのゴールを守り切り、アップセットを果たした。恐らく登録の関係で、FIFAの公式記録ではチャド人がコーチとされているが、「FIFA.com」のレポートではこの結果に触れ、"Chad sing Song's praises" (チャドはソングの讃美歌を歌う)というシャレた小見出しを付けている。
ヘディングで決めたエンドゥアセルのゴールシーン。喜びに沸くベンチの様子も一瞬映る。
一方、2006-2010年のネーションズカップ3連覇の後は低迷期に入っているエジプトは、1990年以来出場を逃しているW杯との相性の悪さが再び表れてしまった。実質的な監督として初采配だったソングに対し、百戦錬磨のエクトル・クーペル監督は思わぬ不覚を取った。
2ndレグは17日、エジプトのアレキサンドリアで行われる。アウェーゴールも許さなかったチャドは、ゴールを取れば1点差負けですら最終(3次)予選に進める優位な状況。敵地でも再び勝利の歌を上げることができるだろうか。