いつものように助走を短く取ったアザール。
すると助走の途中、相手GKプレドラグ・ライコヴィッチが左(アザールから見て右)にフェイントを入れる。
アザールにとって、こうしたフェイントには慣れているだろう。
フェイントを入れられてもフォームに崩れは見られない。初めから左に蹴ろうとしているような蹴り方だ。
しかし次の瞬間…
正直言って静止画を見る限り、なぜアザールが失敗したのかは分からなかった。
会場はスタンフォード・ブリッジであり、敵地に比べるとプレッシャーはないと考えられるし、蹴り慣れているピッチだろう。
しかし、やはり「結果が出ていない」、「ゴールを決めなければいけない」という見えない焦りがミスを誘ったのだろうか。アザールほどの技術を持つ選手がこれだけ豪華にフカすというのは、目には見えぬ何かが作用したと考える方が良さそうだ。
なお、アザールがCLの舞台でPKを失敗するのはこれが2シーズン連続のこと。昨シーズンはグループステージのマリボル戦で失敗しているが、この時のGKはスロベニア国籍のヤスミン・ハンダノヴィッチだった。そして今回はセルビア国籍のライコヴィッチ相手に失敗しており、東欧系の選手に連続で失敗したことになる。
なお、試合はこの後チェルシーがゴールを積み重ね4-0で勝利。前半アディショナルタイムには途中出場のジエゴ・コスタがPKを獲得したのだが、この時のキッカーはアザールではなくオスカルだった(オスカルは成功させている)。