8日、イギリス・ロンドンでNGO団体「Football For Peace」やアフガニスタンサッカー協会などによるピースマッチが開催された。

イギリス海軍や国連、Hummelも協力する形で行われた今回のイベントは、アフガニスタンとイングランドのコミュニティにおいて相互理解が進んでいることを象徴的するもの。アフガニスタンのサッカー選手や監督、それに政治家らが参加し、サッカーが両国の懸け橋となった。

試合を行ったのはアフガニスタンとイングランドのミックスチーム。

白チームの指揮官は、2009-10シーズンにトッテナム・ホットスパーでプレミアリーグ年間最優秀監督にも選ばれたハリー・レドナップ。チームには3人のアフガニスタン人選手に加え、ロビー・サヴェージ(元ウェールズ代表)やアリー・マコイスト(元スコットランド代表)、スティーヴ・ロマス(元・北アイルランド代表)などがいた。

左からロマス、サヴェージ、マッコイスト。

もう一つの青チームでは、トッテナムのOBであるラモン・ベガ(元スイス代表)、PFA会長のクラーク・カーライル(元U-21イングランド代表)、カシフ・シディキー(元パキスタン代表)らがプレー。シディキーはNGO団体「Football For Peace」の設立者で、もう一人の共同設立者、南米年間最優秀選手賞に1974年から3年連続で輝きワールドカップにも3度出場したチリの伝説エリアス・フィゲロアも会場でゲームを見守った。

試合は6-5の接戦ながら白チームに軍配。とはいえ、実は前半で5-1と大差を付けた白チームは、5点目を決めたサヴェージを後半からGKとして起用。これが仇となり同点に追いつかれたレドナップ監督は、「私の判断が間違いだった」と采配ミスを認めている。

なお、そのレドナップ監督がマッコイストの決勝弾に興奮しすぎてピッチ内へ入ってしまい、レッドカードで退場を命じられるという珍事も発生した。

元アフガニスタン代表のオバイドゥッラー・カリミは試合後、このように語っている。

「今日の試合を通して、私たちはイングランドとアフガニスタンが一つになることを実感できました。アフガニスタンの話になると、すぐに戦争についての話題になってしまうことが多いのですが、そうすると全てがネガティブになってしまいます。今日、私たちはサッカーによって、一体感を作り出すことができ、屋外でスポーツをする喜びを感じることができました。今日の試合は、サッカーが平和をもたらす上で重要な役割を果たせることを証明したのではないかと思っています」

【厳選Qoly】東南アジア最強を決める三菱電機カップで日本出身選手が躍動!活躍する日本出身の5選手を紹介