昨シーズンのプレミア王者チェルシーに元気がない。

先週末行われたエヴァートン戦を1-3と落としたチェルシーはこれが今シーズンのプレミアリーグ3敗目。マンチェスター・シティ相手に0-3と完敗を喫した後には、“要塞”スタンフォード・ブリッジでクリスタル・パレスに土をつけられており、近年稀に見る低調なスタートとなっている。

そんなこの試合後、チェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督は記者会見の中で以下のようにコメントした。

ジョゼ・モウリーニョ(チェルシー監督)

「私は選手たちを責めないし、自分自身も責めない。私のキャリアの中で最悪の結果だが、この状況に満足している。

チェルシーに来てこの仕事をするのに、私以上に優れた監督がいるとは思わない。私が適任だ。

私はチェルシーのために数々の良いことをしてきた。

私には今悪い結果が伴っているが、責任は私にある。そして、この結果を改善させるつもりだ」

自身の監督キャリアの中でも最悪のスタートと認めつつも、自分が「チェルシーにとって最適の監督である」とするモウリーニョらしい強気なメッセージである。これほど危機的な状況に直面しつつもチェルシーを再生させる確かな自信があるのだろう。

そうしたモウリーニョ監督に、こんな質問が飛んだ。

"Do you feel under pressure?"
「プレッシャーは感じますか?」

記者会見の最後の質問で飛んだ内容は、いかにも英国人記者らしいストレートな質問だった。モウリーニョを困らせる意図があったのかもしれない。

しかし、この質問に対するモウリーニョ監督の返答が見事なものだった。

【次ページ】例えに持ち出したのは、あの社会問題