9月7日、『Gulf News』は「イスラエル当局は、試合直前にガザ地区の選手にヨルダン川西岸地区への移動許可を与えた」と報じた。
パレスチナ代表チームは現在ワールドカップ2018・アジア予選を戦っており、サウジアラビアとの第1節で3-2と惜敗、マレーシアとの第2節ではアウェーで0-6と大勝するなど健闘している。
そして9月8日に行われるUAE戦は記念すべきホームゲーム。長らく地元で試合を行えなかったパレスチナが、ヨルダン川西岸地区のアル・ラームで強豪を相手にするのである。
しかし、代表チームに所属するガザ地区の選手に対してイスラエル当局が移動の許可を出さず、大きな問題になっていた。
最悪の場合、ホームゲームに限ってメンバーが欠けた状況で戦わなければならない……ということにもなりかねなかったが、当局は試合の前日になってようやく許可を発行することを決断したとのことだ。
ガザ地区の選手は試合の数時間前からしか合流できないという苦しい環境での戦いにはなるが、無事に記念すべき試合に参加することが可能になった。
1月に行われたアジアカップで日本代表とも対戦したパレスチナ。近年FIFAやAFCへのアプローチを務めていることもあり、サッカーを取り巻く環境は急速に改善しつつある。
パレスチナのガザ地区に居住する選手に関してはイスラエル当局が自由な移動を認めておらず、これまではそのために様々な試合の運営が妨げられてきた。
パレスチナでのリーグもガザ地区とヨルダン川西岸の2つに分断され、移動の自由がないために両者の交流や対戦は長らく途切れたままになっていた。
しかし、8月には15年ぶりにガザ地区王者とヨルダン川西岸地区王者がホーム&アウェーで対戦する「パレスチナ・サッカーカップ」の開催に成功。
この時もガザ地区のチームに許可を出されず、開催は数日の延期が行われたが、国際的な圧力を受けてイスラエル当局が折れる形になっていた。