データを詳しく見てみよう。まず、ポゼッションが60%以上で負けたケースは唯一2010年のバイエルン・ミュンヘンのみでありそれ以外のチームは全て優勝をしている。
ポゼッションが50%台で負けたケースも2012年のバイエルン・ミュンヘンのみであったが、こちらはPK戦での決着であった。表に記載はないが、2005年のリヴァプールもPK戦で勝利しているがこの時のポゼッションが45%で優勝と同じケースとなっている。
ここでよりデータをより掘り下げて15年分(2001年~)を見てみよう。
2001-2005年のCL決勝ポゼッション率の推移
2005年:リヴァプール(ポゼッション45%):ミラン(ポゼッション55%)
2004年:ポルト(ポゼッション45%):モナコ(ポゼッション55%)
2003年:ミラン(ポゼッション51%):ユヴェントス(ポゼッション49%)
2002年:レアル・マドリー(ポゼッション52%):レヴァークーゼン(ポゼッション48%)
2001年:バイエルン・ミュンヘン(ポゼッション64%):レヴァークーゼン(ポゼッション36%)
※左側が優勝チーム
以上を元に15年間のデータを総合すると3つの面白い事実が浮かび上がってくる。
3つのジンクス
・ポゼッション率が高いチームが優勝する確率は11/15であり70%以上である。
・PK戦でもポゼッション率が高いチームの方が優勝確率は60%と高い。しかし、ポゼッションが低いのであれば40%の勝率があるPK戦を狙ったほうが勝率が良い。
(ポゼッションが低いチームが優勝:2012年のチェルシー、2005年のリヴァプール、高いチームが優勝:2008年のマンチェスター・ユナイテッド、2003年のミラン、2001年のバイエルン・ミュンヘン)
・ポゼッションが低いチームが90分で勝利したことは2回しかない。2004年のポルト、2010年のインテルである。そして、その時の指揮官はジョゼ・モウリーニョであった。
つまり…、ポゼッション率が50%を下回った時点でPK戦以外でジョゼ・モウリーニョ以外の指揮官は勝利していないのだ…。
ポゼッションの王様であるバルセロナの優勝を調べていたら浮かび上がってきたのが正反対にあるジョゼ・モウリーニョの影というのは何とも興味深い。