ネイマールやウェイン・ルーニー、日本人では大久保嘉人らが着用し、瞬く間にその地位を確立した『ハイパーヴェノム』。選手の俊敏性を最大限に引き出すNikeのスパイクにニューモデルが登場した。
Hypervenom Phantom II
ピッチ上で敵を欺くことに長けた攻撃的プレイヤーのためにデザインされた『ハイパーヴェノム2』。その中でもトップモデルである『ハイパーヴェノム ファントム2』について紹介していきたい。
まずは一目瞭然、「マジスタ」「マーキュリアル」に続き「ハイパーヴェノム」シリーズも“ソックス型”のフライニット&ダイナミックフィットカラーを採用。足との一体感や快適性の向上が今作の大きな売りの一つだ。
アッパーには、ハイパーヴェノムで導入されたメッシュ素材と薄いポリウレタンフィルムによるナイキスキンの進化版、ナイキスキン2.0を使用。旧モデルでは均一な“くぼみ”を付けたアッパーが大きな特徴だったが、今作はボールタッチの向上や屈曲性を高めるため前足部を中心に科学的な根拠に基づく幾何学模様の切れ込みが入れられている。
もちろん、雨天時での高いボールタッチ性を実現したACCテクノロジーもアッパー表面に搭載。
一方で今回から新しく取り入れられたのが、『マーキュリアル スーパーフライ』でお馴染みのフライワイヤー。シューレースホールとアウトソールを連結するブリオケーブルを両サイドに配することでアッパーの安定性を高め、プレーヤーの激しい動きをサポートする。
印象的なデザインのソール側面は、プレートほど硬くなく、かといってアッパーほど柔らかくもなく、2つの素材をなめらかに繋げる役割を果たしている。
アウトソールは圧縮ナイロンを土台に使った軽量プレートで基本構造は変わっていない様子。FGモデルは“一歩目”の鋭さを生み出す第一中足骨(親指へ向かう骨)が素早く動かせるよう、前足部が屈曲溝により分断された構造を引き続き採用している。
といった感じの『ハイパーヴェノム ファントム2』。ネイマールは30日のコパ・デル・レイ決勝でこのスパイクを初使用し、見事にゴールを決めチームの2冠目獲得に貢献した。
さて、今回はさらにNikeのデザインチームによる新スパイクの開発秘話などもお届け。
フライニット&ダイナミックフィットカラー未採用のトップモデル、『ハイパーヴェノム フィニッシュ』も軽く紹介したい。