ラ・リーガ第35節を終えて5位につけるセビージャ。開幕直後の勢いを感じることはなくとも、CL圏内まで勝ち点3差である。ELにおいても準決勝に進出。一先ずは順調なシーズンを送っていることには違いないだろう。

そのセビージャを率いるのはウナイ・エメリである。

エメリという監督は戦術を試合ごとに変える印象を持たれている。事実、戦術家のエメリは相手に合せて色々な策を考案する。時に守備的に回ることでビッグゲームに弱い印象などもあるが、それでもリーガ屈指の監督の1人であることに疑う余地はない。

今回はエメリが仕込んだセビージャのビルドアップの形、そのメカニズムを支えているバネガについて書いていこうと思う(以下は基本的なフォーメーション)。

その前に、度々試合中に発生するセビージャの特徴を簡単に紹介する。

1.中央を経由して、サイドを崩すサイドアタックが多い

2.両SBが高い位置を取る

3.サイドハーフは中央に絞るライン間で受けるものの、サイド敵陣深くに裏へ抜けることをメイン。さらにボックスへ侵入するタスクもある

4.状況によってはピボーテを落として、ピボーテ+2CBの形を作

5.前線の選手は裏抜けにも空中戦にも対応できるために、ショートパスのみならずロングボールも使用

6.サイドハーフが自身の持ち場を離れて、逆サイドまで出張することも多い