J1選手の中で特別の目をひくユニフォームネームは、やはりあの選手のものだろう。

横浜F・マリノスの背番号22、中澤佑二である。

2009シーズン以来、中澤はユニネームに「BOMBER」という文字を入れている。これは自身の愛称でもある「ボンバーヘッド」に由来するものであり、苗字をユニネームに入れる選手が多い中で圧倒的な存在感を放っている。

Jリーグが発刊する『公益社団法人 日本プロサッカーリーグ 規約・規程集』の第13条「選手名の表示」によれば、ユニフォームに記載するユニネームについては以下のような決まりがあるという。

第13 条〔選手名の表示〕
(1) シャツおよびショーツには、選手名または通称を表示することができる。
(略)
③ 文字の種類:アルファベットで表記する
(3) 選手名の表示を選手名または通称以外にて行うことを希望する場合は、事前に実行委員会に申請し、承認を得なければならない。

この規約によれば、事前に申請さえすれば選手名や通称以外にもユニネームとして登録することは可能であるらしい。Jリーグがいう「通称」とは、おそらく選手名を略したパターンのことだろう。確証はないが、おそらく中澤もこの「BOMBER」というユニネームを実行委員会に申請したはずだ。

こうした例は海外にもある。

たとえばマンチェスター・シティのFWセルヒオ・アグエロは、ユニネームに「KUN AGUERO」と入れている。「KUN」とはアグエロが少年時代によく見ていた「わんぱく大昔クムクム」という日本のアニメに起因している。アグエロのフルネームとは一切関係がない。

では、中澤の「BOMBER」以外に変わったユニネームを持つJ1選手は存在するのだろうか?調べてみることにした。

なお、Jリーグ公式HPや各クラブの公式HPではユニネームを一覧で表示していない。そのため、今回は各クラブのオンラインショップHP上に掲載されていたマーキング欄で確認できた13クラブのみを対象とする。

また、マーキングの一覧はシーズン開幕当時にトップチーム登録されていた選手のみが掲載されているパターンが多く、シーズン途中で加入した選手や2種登録選手といった選手は反映されていないケースがある。なお、表記の基準が異なるため、外国籍選手は省略する。

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