その開催時期をめぐって揉めに揉めまくった2022年ワールドカップ。しかし、その議論もいよいよ収束を見せようとしている。
Fifa task force advises a shortened 2022 Qatar World Cup to take place in November/December
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2015, 2月 24
来月行われるFIFA執行委員会で、2022年大会を11月末から12月に開催するという案が議論されることが決まったのだ。
FIFAはすでに、「11月26日開催し12月23日に閉幕する」という具体的なスケジュールも発表している。正式決定こそまだであるが、これだけ細かいスケジューリングが決まっているということは、冬開催が現実路線と見て間違いない。
歴史上、ワールドカップが冬に開催された前例は一度もない。11月や12月という時期はヨーロッパなど主要リーグではシーズン中にあたり、そういった時期に国際大会を開くことで世界中の様々なファクターに影響が出ることは容易に想像できる。
今回は、すでに報道されているものを中心に、世界のサッカーシーンにおいて大きく変更されそうなことを4つまとめてみよう。
1. 世界各国リーグの開催時期が大幅に変更へ
最も大きな問題はこれだろう。本来11月から12月にリーグ戦を行うリーグの主催者は、そのスケジュールの再編が求められている。
この問題が厄介なのは、「単に試合日をズラしたり埋め合わせれば良いということではない」ということだ。
たとえばプレミアリーグの場合、11月から12月はシーズン中である。特に12月は毎年過密日程が組まれており、これらの期間で消化されるべき試合をミッドウィークに入れてしまうと、きっと毎週2試合ペースになるだろう。
また、これらの試合を5~6月に組み込んだとしても、今度は翌シーズンの開幕にも影響が出る。2022年大会を冬に開催することで、各国リーグは開幕を早めたり閉幕を遅めたりせねばならず、選手にさらなる負担がかかるのだ。
さらに、ワールドカップの開催中にもかかわらずリーグ戦を続行するところも現れるかもしれない(Jリーグでは中断しているが、MLSやブラジル全国選手権では続行したことがある)。その場合、代表チームに招集される選手の補償はどこが行うのか?また、それは金銭的なものなのかそれ以外のレギュレーション的なものなのか?そういった課題が出てくるだろう。
ワールドカップの冬開催は、欧州の主要リーグでプレーする選手に体力的な負荷を、そういった選手を抱えるクラブに大きな損害を、リーグや機構に悩ましい選択を与える。
いずれにせよ、ワールドカップを冬に開催することで世界各国のコンペティションが様々な取捨選択を迫れることになるのは間違いない(もちろん、逆に影響が少なくなるリーグもあるだろう)。
2. 2023年アフリカネイションズカップは6月に移行か
2013年より、奇数年の1月から2月にかけて行われてきたアフリカネイションズカップ。2023年大会はギニアでの開催が予定されているが、仮に前年の11月から12月にワールドカップが開催されれば、2023年の6月に延期される見込みである。
しかし、2023年6月には後述するUEFAチャンピオンズリーグもズレ込む可能性があり、世界中の各国リーグが行われている可能性がある(しかも大事な終盤戦)。
このあたりは各リーグおよび連盟が連携を取り合いながら一つずつ解決していくことになるのだろう。