・ボランチ「若手の成長がカギ」

ボランチは一番手薄なポジションだ。小笠原満男と柴崎岳のコンビは日本屈指ながら、控えに不安を残す。貴重なバックアッパーだったルイス・アルベルトがチームを去った影響は想像以上に大きい。

だが、若手の成長次第では、この不安が解消されるかもしれない。豊富な運動量が武器の梅鉢貴秀にはそろそろ一皮むけて欲しいのが本音だ。それはボランチでも起用されそうな山村にも言えることである。

そして、トニーニョ・セレーゾを唸らせたルーキーの久保田和音にも期待が集まる。18歳ながら堂々としたプレーが売りで、パスセンスなど柴崎と重なる部分は多い。同期で同ポジションの大橋尚志と切磋琢磨し、1日も早く公式戦出場を果たしたい。


・2列目「熾烈な競争を勝ち抜くアタッカーは?」

2列目は鹿島のストロングポイントだ。昨季の攻撃を支えた遠藤康、土居聖真、カイオのトリオに加え、徐々に本領を発揮しだした中村充考、チーム1のテクニシャン本山雅志、昨季は開幕スタメンを掴んだ豊川雄太、大きな期待を背負う杉本太郎が名を連ねる。2月10日にはポルトガル2部のポルティモネンセから元日本代表の金崎夢生の加入が発表され、更なる戦力アップが実現した。

個人的に注目しているのは、中村だ。持っている能力を徐々に発揮し始めたが、ポテンシャルの高さから考えればまだまだ物足りない。昨シーズンはフォワードとしても起用され、プレーの幅を広げた背番号13。カイオが怪我で出遅れているだけに、ブレイクを果たして欲しい。


・フォワード「レギュラーを掴む男は誰だ?」

本来であれば1番手のダヴィがリハビリ中の1トップは、レギュラーの座が決まっていないポジションである。その中で存在感を示しているのが、徳島ヴォルティスから加入した高崎寛之だ。昨季は徳島でリーグ戦7ゴールをマークした長身のストライカーは、プレシーズンから好調を維持。ゴールはもちろん、質の高いポストプレーで攻撃の起点にもなっている。獲得が内定していたジネイ(ヴィトーリア)が怪我のため入団取り消しとなっただけに、高崎がチームにフィットしているのは朗報だ。

2年目の赤崎秀平は、この状況に危機感を抱いているだろう。相手ディフェンスの裏を取る動き出しが魅力の背番号18が持つポテンシャルの高さに疑いはない。ただ、チーム戦術には、ポストプレーを得意とする高崎の方がマッチしており、正念場を迎えている。

赤崎の能力を生かすには、鹿島伝統の2トップの採用が解決策になり得る。例えば、高崎と赤崎の"崎崎コンビ"は面白い。ダヴィ復帰後は2トップがメインになる可能性もあり、ルーキーの鈴木優磨も1年目からチャンスを与えられるかもしれない。いずれにせよ、フォワードは確固たる序列がないポジション。シーズン終了後に誰がレギュラーを掴んでいるか楽しみにしたい。

2015/02/17 written by ロッシ


筆者名:ロッシ

プロフィール: 1992年生まれ。1998年フランスW杯がきっかけでサッカーの虜となる。筆者の性格は堅実で真面目なため、ハビエル・サネッティ、長谷部誠、ダニエレ・ボネーラ、アルバロ・アルベロア、マッティア・カッサーニにシンパシーを感じている。ご意見・ご感想などありましたら、ツイッターアカウントまでお寄せください。
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