指導者としての特徴
ルエダは博識で常に沈着冷静、明快かつ論理的指導により選手から"先生"と慕われる知将だ。世界的な知名度こそ乏しいものの、中南米では優秀な指導者として広く知られた存在である。
選手を型に嵌めず相手や状況に応じて戦い方を柔軟に変えるが、基本的には守備をベースにしつつシンプルで規律に富んだリアクション型のチームを作る。
指導する選手を心の底から納得させることにより忠誠心を高め、チーム全体を向上させられる人物で、ピッチ内外での問題点を素早く感知し、修正する能力に長けているのだ。
ホンジュラスでは実力者揃いだが気分屋で纏まりに欠けたチームの人心を見事に掌握。同国を28年ぶりにワールドカップの舞台へ導き、国民的な英雄として国籍まで与えられた。また、エクアドルでは予選途中にエース、クリスティアン・ベニテスの訃報という悲劇に見舞われながら、チームを団結させ2大会ぶりとなる2014年ワールドカップ出場に導いている。
一方で主体性は低めで戦術的な目新しさもなく、しばしば得点力不足に陥る傾向にある。
コロンビア代表時代はマリオ・ジェペスらを中心に堅守を誇りながら得点力不足に泣き、ワールドカップ2006年大会の出場をあと一歩のところで逃した。また、ホンジュラス、エクアドルは予選こそ突破したものの、ワールドカップ本大会ではほとんど良いところなくグループリーグで敗退している。
ぶっちゃけ日本代表にオススメ?
上述したように、長所を伸ばすよりは短所をしっかり埋める"補完"を得意とした指導者であり、最高到達点は低く、本大会で苦戦してしまう傾向にあると言える。
育成という点では前任のアギーレ以上だがラテン・アメリカ以外での実績が乏しく、文化の全く異なる日本でコミュニケーションを存分に取れるかは不透明。また、予選突破以上に本大会での結果が求められる現在の日本代表を率いるには、本大会での実績があまりにも寂しいと言わざるを得ない。
Qoly中南米担当としては、あまりお勧めできると言えないのが正直なところである。