30日にいよいよ開幕を迎える第93回全国高校サッカー選手権大会。国立競技場が全面建て替え工事のため準決勝以降は埼玉スタジアムで行われる今大会。真冬に高校生が繰り広げる熱き戦いを前に、名門マンチェスター・ユナイテッドのユースにまつわるある掟を紹介したい。
以下は今月と2012年に撮影されたユナイテッドのU-18ユースの様子である。
お気づきになるだろうか。若き彼らの足元は総じて“黒"なのである。近年のサッカースパイクと言えば、派手なカラーリングが定番化。黒ベースのスパイクやそれを好んで履くシャビ・アロンソのような選手ももはや希少といえる。
そんな時代に揃いも揃って“黒づくめ"のユナイテッドの若者たち。これは偶然というわけではない。あのサー・アレックス・ファーガソン元監督が主導して導入したクラブ内における掟によるもの。2010年に報道された現地情報をまとめてみる。
ユナイテッドの新しいルールのもとでは、ジュニアの選手たちはクラブでプレーする際、古典的な黒以外(のカラーリングのスパイクを)履くことは禁止される。
クラブの関係者はこう語る。「サー・アレックスは若い選手たちが先走るのを好まない。彼は若者は地に足がついているべきと考えている」
DFジョン・オシェイ(現サンダーランド)はこう話している。
「ユースチームにおける制限だ。彼らは黒を履き続けなくてはならないと言われているんだ。一度、リザーブかファーストチームに入れば制限はなくなる。でも、もし派手なカラー(のスパイク)であまりいいプレーができなければ、(黒にしろと?)選ばれるだろうね」
派手さというかチャラさを好まないファーガソンの厳格さに基づくこの掟はクラブに根付き、現在も受け継がれているようだ。 また、この直前には当時QPRのユースでコーチをしていたマーク・バーチャムも派手すぎるスパイクの着用を禁止していたそう。