12月19日、国際サッカー連盟(FIFA)は「2015年5月1日から選手の保有権を第三者が取得することを禁止する」と発表した。
近年、選手の保有権をクラブではなく投資会社や銀行などが取得し、売買による移籍金やレンタル料、そのほかの権利で収入を得るという形のビジネスモデルが広まっており、主にスペイン、ポルトガル、南米で多く見られている。
そしてこれを利用して市場価値よりも安い値段で有望な選手を獲得するというのがスペイン、ポルトガルのチームの手法であり、経済的に恵まれない中で戦力を整える一つの手段となっていた。もちろん、その場合売却した際の利益は減少することになるが、その分外した時のリスクも少ない。
イングランドでは以前からこれが禁止されているため、今夏フランス代表DFエリャキン・マンガラがマンチェスター・シティに移籍する際に交渉が長引く原因となった。彼の保有権の半分は投資会社が所有しており、これをマンチェスターシティが全て買い取らなければならなかったためだ。
9月26日にFIFAはこれらの手法に対して「スポーツの誠実性を冒す行為である」として禁止することを発表。その時には移行期間として3~4年が必要と伝えられていた。
しかし今回FIFAはそれを前倒しで行うことを決定。来年5月1日から早くもこの規制を施行することを決定した。予定が大幅に早まったため、多くの南米の選手や企業が対応に追われることになりそうだ。
なお、現在すでに結ばれている契約については満了となる締め切り日まで有効となり、1月1日~4月30日に結ばれるものについては最大で1年の猶予期間が与えられる。
【Qolyインタビュー】パリ五輪出場の東京ヴェルディMF山田楓喜、トッテナムのクルゼフスキを「自分の究極系」と語るワケ