「スリランカ」と聞いて私たちが思い浮かべることは何だろうか。セイロン茶か、その首都の名前の二択ではないかと思う。
紅茶の一種であるセイロンティーの原材料である茶葉は、スリランカが原産地である。
また、「Sri Jayawardenepura(スリ・ジャヤワルダナプラ・コッテ)」は世界で最も長い名前の首都であり、この二点においては日本でもそれなりに知名度が高い。
では、スリランカサッカーはどうだろうか。
FIFAランキングは現在174位に沈んでおり、2014年ワールドカップではアジア1次予選で敗退している。しかも、フィリピン相手に1-5の完敗だった。
この通り、一般的に日本ではスリランカの知名度は総じて低い。そして、スリランカサッカーについてはもっと知られていない。しかし、そんなスリランカにプロとして活躍するサッカー選手がいることをご存知だろうか。
彼の名は、丸山龍也。神奈川県出身の22歳で、スリランカ・チャンピオンズリーグのニューヤングスFCに在籍する選手だ。
1992年7月4日生まれのいわゆる“プラチナ世代"で、GK以外ならどこでもこなすという異色のオールラウンダーである。
丸山は日本でのプロ経験はない。それどころか、高校時代は全くの無名選手であり、Jリーグのユースチームや強豪高校にも在籍していた経験がない。
前十字靭帯と内側靭帯を続けて断裂するなど、これまでのキャリアは決して順風満帆なものではなかった。
しかし、今彼は高らかに宣言する。「日本代表に入るまで日本に帰国しない」と―。
一体、この男は何者なのだろうか。スリランカから本気で日本代表を目指す孤高のフットボーラー、丸山龍也に話を聞いた。
――まず初めに、簡単な経歴を教えてください】
丸山「経歴ですか…かなり波瀾万丈な人生なので、現状からお話しした方が良さそうですね」
――なるほど(笑)。では、そこからお願いします。現在はスリランカでプレーされているんですね?
丸山「はい。今年の8月からスリランカのニューヤングスFCというクラブでプレーしています。9月から12月にかけて行われるセカンドステージのみの契約です」
――スリランカはFIFAランキングでも下位に沈んでおり、サッカーのレベル的には日本よりだいぶ劣ると思います。待遇などはどのような感じですか?
丸山「待遇はすごく良いんです。家が支給されて、ご飯が出て、さらに月給は2万円ほどです。
スリランカでは物価も低く、平均月給が約1万5000円程度ということなので、特別な贅沢はできないですけど、まぁまぁ美味しいものは食べれたりタクシーで移動できたりはしますね」