ーースーペル・クラシコ・ダ・ラス・アメリカス。
ブラジル代表対アルゼンチン代表の試合を、南米ではそう呼ぶ。
恐らく代表戦としては、世界でも最大のライバル関係の両国。その因縁の対決は、ただの2カ国間のスポーツの親善試合を、世界中を巻き込んだ戦場に変えてしまう。
実は、今回の対決はなんと初対決から100年目で100試合目のメモリアルゲーム。ブラジルにとってもアルゼンチンにとっても、どちらが上かハッキリと白黒が付く重要な試合となった。
今回はブラジル側視点から、この試合を振り返り、新生ブラジル代表の船出を考察しようと思う。
【試合内容について】
ブラジルが用いたシステムは4-2-3-1。
GKはジェフェルソン(ボタフォゴ)で、 最終ラインは左からフィリペ・ルイス(チェルシー)、ダビド・ルイス(パリSG)、ミランダ(アトレティコ・マドリー)、ダニーロ(ポルト)。 中盤はエリアス(コリンチャンス)とルイス・グスタボ(ヴォルフスブルク)がダブルボランチを組み、 2列目は左からネイマール(バルセロナ)、オスカール(チェルシー)、ウィリアン(チェルシー)。 1トップはジエゴ・タルデッリ(アトレチコ・ミネイロ)が務めた。
対するアルゼンチンのスタメン。
セルヒオ・ロメロ、サバレタ、デミチェリス、フェデリコ・フェルナンデス、マルコス・ロホ、ロベルト・ペレイラ、マスチェラーノ、ラメラ、ディ・マリア、メッシ、アグエロ
試合序盤はアルゼンチンが押し気味で進め、ブラジルは手を焼いていたが、前半28分にDFのクリアミスを拾ったジエゴ・タルデッリがゴールに流し込みブラジル先制。41分、疑惑の残る判定ではあるがダニーロがディ・マリアを倒したとしてアルゼンチンにPK献上。キッカーはメッシ。しかしこのPKをブラジルGKジェフェルソンが読み勝ち、セーブ。ここがターニングポイントとなり、ブラジルは徐々に攻勢に出て行く。64分にはCKからまたもタルデッリが頭で決め、試合を決定付けた。
・ポゼッション
ブラジル61% アルゼンチン39%
・シュート
ブラジル16(4) アルゼンチン10(6)
【通算データ】
この試合の結果を加えた、両国の100試合100年間の歴史の通算成績は以下の通りだ。
※ブラジル側視点
試合数: 100 (メモリアルゲーム)
勝利数: 40
負け数: 36
引き分け: 24
得点数: 157
失点数: 153
2010年南アW杯時も含めた、第一次・第二次ドゥンガ政権の戦績に限ると
※ブラジル側視点
試合数: 5
勝利数: 4
引き分け: 1
負け数: 0
得点数: 11
失点数: 1
得失点差: +10.
両者の対戦成績が100回目でほぼ五分な事を考えると、絶大な勝率である。この結果を見るともう少しドゥンガ監督の評判も上がって良さそうだが、ブラジル国内ではドゥンガ監督の人気は低い。