おかしな形と人選。フォーメーションがどのような形になるかは不明でしたが、おそらくうまくいかないだろうと。試合前のメンバーが発表になった時点でそう思わずにはいられませんでした。

表記するとすればおそらく4-1-4-1。フレッチャーが中盤の底に入り、その前にマタと香川が並列する。ウェルベックはトップ気味で一応左を担っており、ヤヌザイが右に張る。ファン・ペルシーが最前線。

これが見事に機能しない。フォーメーションとて一つの記号に過ぎず、起用される選手と使いこなす監督によっては様々な形が見られる。しかしこの日ユナイテッドが見せたこの形はチームとしての形をなさず、ピッチ上の11人を有機的に連動させるものではなかった。

マタと香川というゾーンと対人で守れない2人を中盤に2人並べて、今となってはあまり前に出ないファーディナンドとヴィディッチを後ろに置いた状態ではフレッチャーの負担はとんでもないものに。無論動くことすら出来ず、バイタルエリアに人数を掛けられ、誰をどうマークすればいいのかわからない状態になっておりました。

ゴールこそ肘から始まるふざけたゴールでしたが、幾度と無くバイタルエリアを使われてボッコボコ。後半こそ日本の大エースを外してキャリックを投入し、4-2-3-1といつもの形に戻して挽回しようと思ったものの、逆転するまでには至らず、今シーズンの迷走っぷりを改めて見せた試合でありました。

【きっちりサウサンプトン】

3人のイングランド代表(この試合の後に発表されたものだが)を擁するサウサンプトン。ユナイテッドも4人+2人の予備登録メンバーがいるが試合の中身はサウサンプトンにまるで及ばず。昨シーズン下位にいたサウサンプトンではあるが、今シーズンは中位に見事ジャンプアップ。この試合を見ればユナイテッドの酷さを差し引いても納得するしかない。

まずみんな前からきっちり守ります。前線も中盤もサボらずにプレッシャー掛ける。これ大事。ユナイテッドのビルドアップ完全にうまくいってなかったのはここです。シーズン失点数だけで言えば46で43のユナイテッドよりも多いのですが、このあたりのチームとしてはいい数字。去年の得失点差が−11から+8ですから、伴って順位も上がっているのも当然でしょう。