3月1日、AFP通信は「FIFAは、イスラム教徒の女性選手がプレー中にヒジャブを着用することを認めた」と報じた。
記事によればFIFA事務総長を務めているジェローム・ヴァルケ氏が、チューリッヒで行われたIFAB(国際サッカー連盟理事会)の会合で明らかにしたという。
今回は女子だけではなく男子についてもヘッドカバーの着用を認めることが発表されている。
AFP
ジェローム・ヴァルケ FIFA事務総長
「女性選手は頭をカバーするものを着用してプレーできると決定された。そして、男性についてもヘッドカバーを着用してプレーできることも決定された。しかし、これは基本的なものであり、色もチームのジャージと同じでなくてはならない」
イスラム教徒の女性には「ヒジャブ」と呼ばれる布で頭をカバーし、肌を見せない習慣があることで知られる。
これは体温の上昇を誘発する他、引っ張られたり何かに引っかかったりした際には頭や首に致命的な怪我を負う可能性があるとして、FIFAは2007年から頭に布を巻いてプレーすることを禁止していた。
しかし、2011年6月にイラン女子代表チームがロンドン五輪アジア二次予選でヒジャブを外すことを拒否し、それによって審判が試合を没収する事件が発生。
これを受けて各イスラム教国家はAFC、並びにFIFAにヒジャブの着用許可を求める要請を行い、2012年から安全性を評価するための試験が遂行されてきた。
また、一方で男子についてもカナダのシク教徒コミュニティから頭部を覆うものの着用を認めるように要請が行われていた。
シク教はインド発祥の宗教であり、男性は髪の毛と髭を切らず、ターバンを着用する習慣があることで知られている。