サッカーという競技の美しさに、選手とピッチに入場する少年少女たちの姿がある。
彼ら彼女らの目に、世界的なビッグスターの姿はどう映るのだろうか。その答えは、少年少女たちの瞳を覗き込めば分かる。少し緊張した面持ちながらも誰もが目を輝かせ、そこに未来の自分の姿を思い描くはずだ。
子どもたちは、選手たちに手を取られて緑が映えるピッチに足を踏み入れる。そのかけがえのない経験は、子どもたちの未来にきっと大きな財産をもたらしてくれるだろう。
W杯欧州予選の最終節スウェーデン対ドイツの大一番でも、入場してくる選手たちの隣には少年少女の姿があった。しかし、子どもたちにはどこか落ち着きがない。実はこの試合、ウィリアムズ症候群という遺伝子疾患を患う子どもたちがエスコートキッズに選ばれていたのだった。
幼い少年マックスも、この日マスコットボーイを務めた1人。彼はスウェーデン代表MFキム・シェルストレームに手を取られながら、ピッチに足を踏み入れた。そして、マックスが見た光景は、50,000人もの観客で溢れるフレンズ・アレーナの興奮だった。