8月30日、ロイター通信は「UEFAのミシェル・プラティニ会長は、現在の移籍マーケットのシステムを『泥棒』だと批判した」と報じた。
世界に金融危機が訪れて以来しばらくマーケットは冷え込んだが、ここ2年ほどはロシアやカタール、アジアなどの富豪が欧州サッカーに進出したことで、さらに大きな金銭が選手の移籍に際して動くようになった。現在噂されているギャレス・ベイルのレアル・マドリー移籍に際しては、一億ユーロという途方もない金額が動くと報じられている。
ミシェル・プラティニ会長は現在のマーケットのシステムについて、選手に全く自由がない制度であると批判し、改革に向かうことを宣言した。
ロイター
ミシェル・プラティニ UEFA会長
「今の移籍市場は『泥棒』のようだと感じる。
今日では、サッカー選手は人間というよりも商品、製品のようなものだ。また、それに群がる多くの人々が、選手を使って多くの利益を得ようとしている。私は、それにとてもイライラしているんだ。
これについてはより真剣に考えなければと思うし、より健全なマーケットのシステムを見つけ出さなければいけない。
選手には全く自由がない。彼らはクラブに属しているといえるか? いまやプレイヤーはどこかの会社や誰かの金融保有物でしかない。
私はそれを正しいことだとは思わないね。これはとても大切なことで、新しいサッカー界を作っていくために必要なもの。我々はそれを調査し、改革に取り組んでいく。移籍マーケットが開いている期間は長すぎて、そして大きすぎるんだ。
私は、選手たちが契約を終えた後に移籍を求めてストライキを行った世代の人間だ。選手たちは自由を求め、ストライキをした。
しかし、今の選手は契約にサインする。なぜなら、クラブを離れたいといったらその瞬間からプレーできなくなるからだ。それはとても不健全な関係だろう。
『泥棒』という言葉はやや過激な単語かもしれないが、契約にサインするならば、普通皆がそれを尊重しなきゃならないはずなんだ。私はそう言いたかっただけだ。
とにかく、我々はやらなければならないんだ。選手の移籍の方法、システムについて、再び考えることを。
我々は移籍にまつわる金銭のモラルに関して、30年も同じ質問を繰り返している。ディエゴ・マラドーナが3000万ドル、そしてジネディーヌ・ジダンが6000万ドルで移籍したときも、人々は同じ言葉を発したはずだ」