その黄金の左足から「カルパチアのマラドーナ」と称され、1994年のアメリカW杯などで活躍したルーマニアサッカー史上最高の選手の一人、ゲオルゲ・ハジ。晩年に在籍したトルコのガラタサライでは2000年にUEFAカップ制覇を成し遂げた。
引退後は古巣のガラタサライやステアウア・ブカレスト、ルーマニア代表などで監督を務め、『名選手、名監督にあらず』を体現する一人となっているが、ハジ氏は2009年、自身がプロキャリアをスタートさせた地であるコンスタンツァに「ヴィートルル・コンスタンツァ」という新クラブも設立。ヴィートルルは3部リーグから順調にステップアップし、2012年に1部へ昇格。初年度の2012-13シーズンは13位で残留を果たした。
ヴィートルルは元々、「ルーマニアに“アヤックス"を作る!」という目的で創設されたクラブで、優れた若手育成プログラムは早くも成果が表れはじめており、アカデミーでプレーする選手の中にはこんなビッグネームも。
ユースの試合で鮮やかなフリーキックを決めたのは、設立者のハジ氏の息子である15歳のヤニス・ハジ。
右利きながら左足もそん色なく使え、10番を背に攻撃をつかさどる様はまさに偉大な父を彷彿。アンダー世代のルーマニア代表でもある彼が今後どのように成長していくのか楽しみである。