▼録画中継が本当に映し出したもの

結論を述べる。正直、結構ビクビクしている。

日本テレビが生中継で高校サッカーを放送しなかった理由。それは、単に高校サッカーというコンテンツにそれだけのバリューがなかっただけである。

こういうことを言うと、「おまえは本当にサッカーファンなのか!?」と突っ込まれるかもしれない。しかし考えてみてほしい。決勝戦の録画中継が決まった時、落胆や批判をしていたのはサッカーファンだけではなかっただろうか?少なくとも私のタイムラインでは、非サッカークラスタからそのような痛烈な声は聞こえてこなかった。

また、もし延期されたのが高校サッカーではなく日本代表戦であったのなら、日本テレビはおそらく強引にでも生中継を実現させたはずだ。

それは当然、日本代表戦にそれだけのバリューがあるからである。サッカークラスタと非サッカークラスタを二分化した時、その割合はおそらく後者が前者を圧倒するだろう。そして、非サッカークラスタをも魅了する魅力が代表戦にはあり、高校サッカーには無かっただけのことである。ただでさえ広告費がまず削ぎ落とされる時代だ。そう考えた時、日本テレビの存在を本当に「悪」だと言い切れるだろうか。

こんなこと、私だって書きたくはない。認めたくもない。しかし、残念ながらこれがこの国のサッカー人気の現状である。日本代表戦の人気から日本ではサッカーが人気スポーツと認識され始めているが、それは大きな間違いである。今回の日本テレビの対応は、そのことを間接的かつ痛快に我々へと伝えたのだ。そして、私はそのことが何よりも悲しかった。

日本テレビを批判することは誰にでもできる。

実際、「録画でありながら短縮して放送する」というのはサッカーファンを見くびっているとしか言いようがない。しかし日本テレビを咎める前に、我々はこの国におけるサッカーの立ち位置を捉え直す必要があるかもしれない。日本代表戦という異常な熱気にごまかされつつあるが、その事実だけは絶対に履き違えてはならないだろう。

高校サッカー決勝が『メレンゲの気持ち』に取って代わる日が来ることを、私は信じている。


筆者名:くわけん

プロフィール:『兵庫県西宮市在住の大学生。競技としての魅力はもちろん、文化や側面としてのサッカーの魅力を一人でも多くの人に伝えたいです。サッカー実況界の神=倉敷保雄さんと写真撮ったことだけが自慢。』
ツイッター: @kuwaken0607

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