2012年6月23日(土) - ドンバス・アレナ(ドネツィク)
Spain
2
1-0
1-0
0
France
シャビ・アロンソ
シャビ・アロンソ
19'
90+1'
得点者





準々決勝屈指の好カードは、スペインが「バルサ・メソッド」の強みを生かして先行に成功し、終盤にさらにリードを広げて完勝。フランスはチャンスがなかったわけではないが、結局相手の手の内で踊らされただけの90分になった。

セスクを最前線に配置したゼロトップによるシステムは、序盤完璧に試合をコントロールした。

ウイングが斜めに動いて最終ラインを釘付けにし、セスク、あるいはイニエスタが下がって、中盤のセンターで数的優位と縦のギャップを作り出す。

それを生かして中でボールを繋いで、外にスペースを作り、サイドバックが上がってアクセントを付け、守備が戻ってきたら中央に戻してやり直し。

もし最初の段階で相手のCBが食いついてきたら、誰かがそこのスペースに飛び出していけばいい。そのままゴールに行けなくとも、サイドバックの絞りを誘って外を開けられる。

ボールを回して押し込めば、相手の中盤が横一列になっていく。するとこちらの中盤の縦のギャップを生かしやすくなり、ブスケツやアロンソがフリーでボールを持てる。要するにブロックを作って守ろうという相手を崩す論理を重ねたものだ。

フランスの守り方はまさにその「想定範囲内」であった。よって序盤からスペインはボールを保持し、狙い通りの攻撃を繰り広げていった。そして19分に先制。左サイドでイニエスタのスルーパスにジョルディ・アルバが飛び出し、マークのドゥビュシを振り切ってクロス。そして、ファーにフリーで詰めていたシャビ・アロンソがヘディングでゴールに決めた。

先制したことで動きの量が落ちたために一段階、そして67分にセスクがトーレスに変わったことでさらに一段階、スペインは「バルサ・メソッド」の機能性を失っていった。しかし、その分サイドバックの攻撃参加が少なくなり、守備力は保たれた。

攻撃サッカーを貫くのは理想的ではあるが、バルセロナほど機能するであろうピースが多くないという点を考えれば、選手を休ませることも重要である。また、相手が前掛かりになってスペースが生まれたときにトーレスを入れれば、攻撃力の減少を最小限に抑えられるという考えも間違ってはいない(結果的にデル・ボスケ監督の想像以上に機能しなかったような気もするが…)。実際後半はフランスが盛り返す場面も多かったが、それほど大きなピンチを迎えることはなかった。

そして後半ロスタイムに、途中出場のペドロがフェイントでの仕掛けでレヴェイェールのファウルを誘いPKを獲得。シャビ・アロンソが本日2点目を決めて、勝利を確実なものとした。

フランスは前半はやられにやられた45分だったが、後半は反撃の糸口は掴んでいた。前半のように待ち構えるのではなく、パス回しの間に生まれる個々人のキープの間にコンタクトを挑み、ボールを奪ってカウンター。相手のリズムを崩すためのスタートラインには辿り着いていた。

しかし、その時には既にスコアはビハインドになっており、スペインは守備の意識を高めていたし、フランスが激しく来ることも予想していただろう。後半始めたのでは時既に遅し、であった。どのような選手を並べたところで、前半のやり方ではまず勝てない。

(筆:Qoly編集部 K)

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