2012年6月15日(金) - ドンバス・アレナ(ドネツィク)
Ukraine
0
0-0
0-2
2
France




得点者
53'
57'
メネズ
キャバイ

初戦のスウェーデンとの試合で劇的な逆転勝利を飾った開催国ウクライナ。しかし第2戦はフランスの攻撃の前に守備が最後まで持たず、後半に2失点し、敗北した。

試合は雷雨で開始から5分というタイミングで1時間近く中断したが、無事に雨が止み、ピッチに水も浮くことなく、再開にこぎ着けることができた。影響はそれほどなかったと言っていいだろう。

前半、ウクライナの組織はなかなかの機能性を見せていた。サイドハーフが守備をサボらず、ドゥビュシやクリシをフリーにさせないことで、相手の得意な攻撃を自由にさせることは少なかった。そしてカウンターで少ないチャンスを狙い、反撃を仕掛けていた。

しかし、フランスもそんな内容の前半で、既に牙を磨いていた。今日は4-1-4-1から予選で使用した4-2-3-1に変更。より前線が流動的に動きやすくし、中に絞る動きやフリーのところから飛び出していくキャバイを生かしつつ、サイドにスペースを作ってクリシ、ドゥビュシをオーバーラップさせるという狙いがあった。しかし前述のように、ウクライナの守備によってよく機能したとは言い難かった。

だが前半途中から攻撃の形に変化が見られていた。その鍵はリベリである。中に絞ってベンゼマ、ナスリと関係を作っても外が空いてくれない。前を向いてもブロックが厚く飛び出しを簡単に使えない。そこでリベリはよりサイド側を意識し、グセフに対して執拗に一対一を仕掛けたのである。

これでフランスはサイドからの攻撃の形を生み出した。同時にウクライナはヤルモレンコも一緒にリベリに付かなくてはならない場面が出始め、クリシがフリーになる局面が見られるようになっていた。

そして53分、先制点はそのリベリの仕掛けから生まれた。カウンター気味に左サイドに出てきたボールを受けたリベリは、ドリブルで持ち上がりグセフを引かせて、右にパス。ベンゼマがさらに右に流し、メネズが切り返しからシュート。これがゴールに決まって試合を動かした。

その4分後、攻撃的になったために崩れたウクライナの守備を再びフランスが破る。今度は右サイドのドゥビュシがフリーで持って基点となり中央へ展開。メネズ、ベンゼマと繋いで逆サイド側に通し、飛び出したキャバイがゴールに決めた。この2点のリードを守り、フランスが大会初勝利をあげた。

ウクライナはそれなりに守備は機能したと言えるが、フランスの試合中に変化していった仕掛けに対応することができず、ちょこちょこと穴を作って、それが失点に結びついた格好だ。再三のピンチを神がかり的なセーブで防いでいたピヤトフの活躍を勝ち点に繋げられなかったのは悔しいところだ。

(筆:Qoly編集部 K)

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