英紙『Daily Mail』は今夏EUROが開催されるウクライナとポーランドへ渡航する自国サポーターに向けある警告を行った。
同紙によれば、 開催国の森林地帯にはダニ媒介性脳炎(Tick-Borne Encephalitis、以下TBE)を媒介するマダニが多数生息しており、特にイングランド代表が滞在するクラクフを含めたポーランドのシレジア地方はこれまで多くの被害を受けてきたという。
特に感染の危険性が懸念されるのはホテルなどには宿泊せず、野外でのキャンプを計画しているサポーターたちで、専門医によるとマダニは体の温かい部分、鼠蹊部や脇の下を狙って吸血する傾向があるので、野外で用を足す際などは要注意だそう。
また、イギリスの慈善団体「UK charity Tick Alert」ではEUROを現地観戦するサポーターに向けての専用ページを設けて、警告を促している。
ヨーロッパではTBEに感染して治療を受ける患者は1年間で約1万人いるそうで、その3分の1が髄膜炎に罹患、最悪の場合その後脳と脊髄に腫脹ができる脳炎に至る。死に至るような重篤なケースは全体の2パーセントほどだそうだが、回復したとしても数年間は疲労感や記憶喪失に悩まされることがあるという。同団体の担当者はこのように話す。
「マダニは獲物を待ち構えていて、吸血するのに最適な鼠蹊部や脇の下などに気付かれることなく辿り着きます。下着をつけていても吸血の妨げにはほとんどなりません。草むらで寝泊まりするなど森林地帯で過ごす方は体にマダニが付いていないか定期的にチェックする必要があります」
同団体のホームページでは、予防法として・効果のある昆虫駆除剤の使用、・森林ではショーツではなく長ズボンを着用のうえ、裾を靴下に入れるなど肌をさらさない、 ・TBEが風土病となっている地域では加熱殺菌されていない乳製品は避ける、・渡航前に予防接種を受ける(なるべく早く)などをあげている。また、イギリスの外務省もTBEの感染リスクがある国へ旅行する際は、渡航前に最寄りの診察医でアドバイスを受けるよう警告している。
ということで、EUROを現地観戦をされる際にはマダニにも十分ご留意いただきたいが、都市部というよりはあくまでも森林地帯などで感染リスクが高まる可能性があるので要注意ということだろう。
(筆:Qoly編集部 I)
【Qolyインタビュー】パリ五輪出場の東京ヴェルディMF山田楓喜、トッテナムのクルゼフスキを「自分の究極系」と語るワケ