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先日ワールドカップアジア3次予選で韓国を破り、最終予選進出を決めたレバノン。当地では快挙を成し遂げたチームに賞賛が相次いでいる。ドイツ・ブンデスリーガで活躍した経験を持ち、現在代表の主将を務めているローダ・アンタルがデイリースター紙のインタビューに答えている。

「全くサポーターに支持されず、閑古鳥の鳴くスタジアムで戦っていた瀕死のチームが、今年満員のスタジアムの中でジャイアント・キラーに変貌を遂げた。その立役者はもちろん監督のテオ・ベッカーであるが、中盤でまさに“標識”のようにプレーするローダ・アンタルの存在も見逃せない。

アンタルは信じられないほどに大切な存在である。ピッチの中だけでなく、外でも。彼はいつもフレンドリーで親切であるが、目の奥には決意が溢れている。彼はおそらく、このレバノンの白けきったサッカーの歴史の中で、最高の選手といえる存在だ。また彼とテオ・ベッカーはユースフ・モハマドをドイツのスカウトに紹介し、海外移籍の道も作った。

『我々はドイツに渡り、多くのものを学んだ。私は20歳だった。最初の3週間は泣いてばかりいたことを覚えているよ』

技術的、戦術的に才能を育成することにかけてはドイツの右に出る国はない。そこで多くのことを学んだアンタルは、MFハイテム・ファウルと中盤でコンビを組み、レバノンの中盤の潤滑剤となる。そびえ立ち、穏やかにボールを動かし、職人芸のようなプレーを提供してくれる。

アンタルはドイツでプロフェッショナリズムを獲得した。しかし同じ事がレバノン代表のチームメイトには出来ていなかったという。

『私の昔の仲間たちは、自分自身のケアをせず、チャンスを掴もうともしていなかった。名前は言わないけれど、ある男はヨーロッパでプレーするチャンスがいくつも巡ってきたのに、彼の中でのサッカーは常に“二番目”だった。対して、私の人生はまさにサッカーだった。もしあなたが何かで成功したいと思うなら、それを愛さなければ。

私は懸命に働いた。成功するのは容易なことではないから、一生懸命にやること、そして愛することが大切だ。ある選手たちはクラブに行ったり、シーシャ(中東で言う水タバコ)を吸ったりする。それらはサッカーで成功することと比べたら、全く些細なものなんだよ』

アンタルは頑固だ。そして監督テオ・ベッカーも。プロフェッショナリズムはレバノンのサッカーを高いレベルに引き上げるために一番必要なものである。彼はレバノンの育成システムに限界があるにも関わらず、快挙を達成できた唯一の理由であると確信している。

証拠もある。2011年3月にはレバノンはFIFAランキング186位に沈み、過去最低の順位となった。しかし半年後には、かつてワールドカップでベスト4に入ったこともある韓国を破った。当時と現在の違いは、選手が適切に準備を行い、ベッカーの仕事に感謝をしていると言うことだけだ。

『ベッカーはレバノンを変えてくれた。彼とは10年以上の付き合い(ベッカーは2001年にレバノン代表監督を経験している)で、ドイツへの移籍を応援してくれた人だ。お互いに深く理解をしているし、ドイツ語が話せるから直接コミュニケーションも出来る。彼は私を助けてくれた。私も彼を常に助けるつもりだ』

アンタルがドイツで学んだプロフェッショナリズムは、全国の多くのプレイヤーに広がり、飛躍できるだろうか?

『現時点では難しい。多くの才能はあるが、簡単なことではないよ。もし選手がハードワークをしたとしても……みんな知っているとおり、イタリアやドイツ、イングランドなどはとんでもなく強い。彼らがやっていることを我々は見ているが、数ヶ月ではとてもとても。少なくとも1年、2年はかかるだろう。そして、彼らが将来コーチになって、継続してくれることが大切だ。

最も重要なのは、“プロフェッショナリズムを教える”ことだ。レバノンの選手は自分をケアすると言うことを知らないし、試合への準備の仕方を学ばなければならない。

火曜日の試合の二日前、テオ(・ベッカー監督)が誰かに叫んでいるのを聞いたんだ。部屋を移動している選手がいたんだ。テオはプロフェッショナリズムを教える専門家だ。

レストランでも、テオは何を食べれば良いのか、何を食べてはいけないか、何を食べると良い影響があるかを教えている。それから選手たちが学んでくれることを期待している。サッカー選手にとって非常に重要な……些細に見えるがとても重要なことだ。彼はいつも選手に目を配っている。それもとても大切なことだ』

テオ・ベッカー監督はドレッシングルームでは優秀なモチベーターであると言われている。彼の影響力はトレーニンググラウンド、ドレッシングルーム、どちらがより強いのだろうか?

『どちらもだね。でも強いて言うならドレッシングルームの方かな。トレーニングも素晴らしいけど、たかだか試合の2、3日前からだからね。彼は選手を教育するという面において非常に優れている。彼はいつもお金だけのためではなく、プロとしての仕事をしている。プロ意識は彼自身を、レバノンを、そして多くのものを助けている。

今までのレバノンの戦術は非常に悪いものだった。しかし韓国を破り、多くのものを学び、我々のサッカーを再生することができるさ』」

(筆:Qoly編集部 K)

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