11月15日、本拠地に韓国を迎えたレバノンは、前評判を覆して2-1で勝利を収めた。グループ首位を堅持し、最終予選への進出を決めた。未だワールドカップ出場に手が届いていないレバノンにとって大きな快挙である。
デイリースター紙はこの結果を喜びながらも、「じっと立っている時間はない」という見出しを付け、お祝いムードに若干の釘を刺した。
「韓国に対して歴史的な勝利を挙げた。その夜の大きなセレブレーションによって、選手たちの頭はぼんやりしていたのではないか。しかこの勝利はただポイントを獲得しただけに留まらない意味を持つ。
レバノンサッカーの歴史上、快挙となる結果だ。選手、コーチ、協会が冷静にプロフェッショナリズムを貫き、一致団結して得られたものだ。これは終わりではない。始まりなのだ。我々にとって好ましい道に進んでいる。
代表チームのコーチを務めるテオ・ベッカーは語る。
『我々はパフォーマンスを安定させなければならない。もし選手たちに多くのお金を渡してしまったら、彼らは“自分の仕事は終わった”と感じるだろうね。我々は信じられないような試合をした。良い試合をした。しかし大げさに評価してはいけない。
結果についてはとても嬉しい。まだ呼吸が出来る時間を与えられた。これまでに起こったことを振り返り、我々が何を改善できるかということを考えたい』
スポーツ大臣を務めているファイサル・カラミもインタビューに答えている。
『ハシェム・ハイダル(サッカー協会の会長)にお祝いを言ったよ。しかし次の日にはもう次の準備に取りかかっていた。2014年にブラジルにたどり着くため、それには政府からより多くの資金を調達する必要がある。大統領は観衆と共に試合を見ていたし、より多くの資金を選手たちに与えるだろう。
信頼できるチームだ。彼らは国を団結させる力がある。サッカーだけでなく、全てのスポーツに当てはまることだ。レバノンのスポーツ選手が良い結果を残すことはとても重要であり、全ての障壁を壊す力があるのだ。それは私が政治家たちに伝えようとしている、そのものだ。スポーツは団結のためのツールなのだ』
前例のない結果。しかし、チームの主将を務めているローダ・アンタルは運が介入したわけではないと語った。
『3ヶ月前はこんな結果を残せるなんて誰も思っていなかっただろう。良好な結果に繋がったのは、我々がハードワークを行ったからだ。皆我々のプレーを見ることが出来た。我々の高いモチベーションを見ることが出来た。監督に導かれて努力し、戦ったのだ。
誰もがピッチで自分の役割をわきまえていた。4-4-2であっても、4-3-3であっても、あるいは3-5-2であっても問題なかった。両フルバックはどうやって、そして誰のカバーリングをするかを知っている必要がある。オフサイドなどに掛からないことも重要だ。
しかし、我々はまだ3ヶ月しか戦っていない。まだ何も終わってはいないんだ。次の3ヶ月、次の1年、向上する計画を立てなければ。
(ドイツではこんな結果を味わったことはありますか?)いや、ないね。レバノンは歴史上次のラウンドに進んだことがなかったんだからね。このチームに居られたことを誇りに思うよ』」
(筆:Qoly編集部 K)