突然の脳卒中に倒れたカッサーノの代役として『ガゼッタ・デッロ・スポルト』は代役候補を提案している。彼らのお薦め具合などもふまえてご紹介しよう。
ディディエ・ドログバ (チェルシー / 33歳)
チェルシーの絶対的エースだったドログバだが、アンドレ・ヴィラス=ボアス新監督就任後は思うように出番を得られておらず、来季は移籍が濃厚だと言われている。ミラン入りの噂は常々あったが、年齢を考えると厳しいと言わざるを得ない。またイブラヒモヴィッチとの兼ね合いも考えると起用は難しいだろう。
イヴィツァ・オリッチ (バイエルン / 32歳)
マリオ・ゴメスの大ブレイクで出番を得る事が難しい状況に陥っている。先日も移籍の可能性を仄めかしていたが、誰とでもコンビを組める選手だけに獲得するのも悪くない選択肢。しかし本人もミランで再びベンチを温める気はないと思われるだけに実現の可能性は低い。
アマウリ (ユヴェントス / 31歳)
シーズン開幕前にはイブラヒモヴィッチのバックアッパーとして獲得の噂が浮上したアマウリ。しかし、現在はプレミアリーグ移籍の噂が大きい。ブラジルからイタリア帰化した選手であり、セリエAで長くプレーしている事を考えるとフィットは早いだろう。
ルカ・トーニ (ユヴェントス / 34歳)
アマウリ同様にユーヴェで構想外となっているトーニ。ユーヴェに残留しても出番はほぼ皆無で、冬に移籍することは濃厚だ。バイエルン移籍の前にはミラン入りの噂が報じられた選手だけに、ミランのスカウト網に引っかかる可能性も?
ホセ・アントニオ・レジェス (アトレティコ・マドリー / 28歳)
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』は意外な名前を挙げた。元アーセナル、元レアル・マドリーとビッグクラブでの経験は充分な選手。しかしサイドアタッカーとしての色気が強いのは気になる所だ。また、ミランはかつてスペイン人のアタッカンテを獲得した時代があったが、いずれも成功したとは言えないのも「意外」と感じる所以だ。
マルコ・ボリエッロ (ローマ / 29歳)
ミランのプリマヴェーラ出身でプロヴィンチャへの修行を繰り返した末にブレイクした選手。昨季の開幕後にイブラヒモヴィッチの加入が決まり移籍を志願したが、レオナルド体制下では主軸として活躍。ローマのルイス・エンリケ監督からはあまり信頼されておらず、再びミラノに舞い戻る可能性は少なからずあるだろう。
ルーカス・バリオス (ドルトムント / 26歳)
香川のチームメイトは負傷離脱後ポジションを失っている。アルゼンチンから帰化したテクニックのある選手だけにミランでもやっていける素質はあるだろう。しかし、彼の様なタイプの選手がミランで成功した例は少なく、リカルド・オリヴェイラの様に燻ってしまう可能性を秘めている。
その他の名前もあったが、ビッグネームは以上だ。「カッサーノの代役」という言葉をどう捉えるかだが、挙げられた選手はプリマ・プンタを得意とする選手が目立つ。イブラヒモヴィッチは器用な選手だけに純粋なプリマ・プンタとしてしまうのは語弊があるが、彼との共存もネックになるだろう。
しかし、元々カッサーノは夏のマーケットで放出候補に挙げられた選手であった事も忘れてはならない。ミランは夏のマーケットでカッサーノを売却し、イブラヒモヴィッチの代役を務められる選手を探していた。しかし、イブラヒモヴィッチ、パト、ロビーニョが離脱。前線の苦しい台所事情の中、ミランを踏みとどまらせたのがカッサーノだった。この功績から「カッサーノの代役=セコンド・プンタ」と考えてしまいがちだが、ガゼッタがプリマ・プンタを列挙した様に「イブラの代役ができる選手の獲得」を考える方がチームバランスを崩さずに補強する考え方である。
最後に忘れてはならないのは、フィリッポ・インザーギの存在だ。負傷した影響でコンディション調整に苦しみ、CL登録から外れたインザーギ。1月には出番を求めて移籍すると言われているが、仲間の為に奮起するのが「スーペル・ピッポ」だ。控えで出て来てドッピエッタ、ポジション奪ってトリプレッタ・・・。そんなインザーギの姿をもう一度見たいと思うファンは少なくないだろう。
いま、もっとも「カッサーノの代役」として求められるのはフィリッポ・インザーギで間違いない。
99番の代わりを務められるのは9番だけだ。
(筆:Qoly編集部 N)