このほど、発表されたアメリカ代表戦士22名のなかで、現地アメリカの驚きを誘ったのはヘルタ・ベルリンに所属する21歳のDFアルフレード・モラレスの招集だ。
今シーズン1部復帰を果たしたヘルタにあってまだあまり出番の多くないモラレスだが、右サイドバック、ボランチ、そしてセンターバックでもプレー可能な守備のマルチロールとして期待されている。
2009年にアメリカU-20代表の短期合宿に参加したこともあるモラレスだが、その生い立ちにアメリカが深く関わっているわけではない。ペルー人の両親の元、ベルリンで生まれ育ったモラレスがアメリカ国籍を取得しているのは、父ガロがアメリカ軍に務めていたことがあったため。ちなみに、今回招集された22人にはアメリカ軍人の父を持つドイツ生まれの選手がモラレスを含めて5人いる。
そんなモラレスは両親の祖国でもあるペルーからも代表入りを請われていたが、来年行われるロンドン・オリンピックに出場するためアメリカ代表を選んだ。父ガロによれば、「(ペルーもドイツもオリンピック出場を逃してしまった。夢である)オリンピックに出たいんだ」と語ったという。
※アメリカ代表は本大会出場を懸け、来年3月に6カ国での北中米カリブ海最終予選に臨む
代表監督のクリンスマンはモラレスの招集についてこう語っている。
「代表にアルフレード・モラレスを迎え入れることができて興奮しているよ。ヘルタの監督(クリンスマンの同胞マルクス・バッベル)と話した際、彼を褒めちぎっていたんだ。今まさにレギュラーを掴もうとしていて、6番(ボランチ)と右サイドバックでプレーできると」
まだ21歳と若いモラレスだが昨年12月に結婚。現在妊娠中の1歳年上の妻ナディアさんの出産予定日は来春だということで、仮にオリンピック出場を掴みとることができればモラレスにとって2重の喜びとなることだろう。
また、チームメイトは彼のことを“アルフィ”と呼んいるが、もしピッチに立つことになれば、それはアメリカ代表として初のアルフレード、モラレス(姓)となるそうだ。
(筆:Qoly編集部 I)