先日、ルーマニアで起きた選手襲撃事件によって負傷したステアウアのDFガラマズについて骨折はしてないとお伝えしたが、その後の検査で頬骨の骨折が判明した。
【黄色は頬骨、赤は側頭骨】
負傷交代となったガラマズは病院へと急行し15時間入院。その後、当面の危機は脱したということでひとまず退院となったようだが、負傷箇所が少しでもずれ、側頭骨を骨折していたら、同胞クリスティアン・キヴのように開頭手術が必要になるほどの重傷になっていた可能性もあった。
専門医によれば
「今回の骨折箇所は側頭骨から1.5インチ(約4cm)しか離れていなかった。こめかみ(側頭部)は頭部で一番弱い部分であり、どんなダメージも致命傷になりうる」
「側頭骨にダメージを負うと、頭蓋内血腫が引き起こされて、場合によっては死に至る」
とのこと。さらに、ガラマズは頬骨の骨折だけでなく、鼓膜にもダメージを負っていたが、聴力に障害が残るようなものではないようだ。
一方、逮捕されたDragoナ鼀 Enacheは地元警察が要注意人物としてマークしていたギャングのひとりだった。
周辺住民は当局に対し、このギャング団の危険性を5年に渡って訴えていたが、警察が具体的な対策に乗り出すことはなかったという。
【2006年時点で警察の資料には“Dragoナ鼀 Enache"の名が】
逮捕された際、アルコールとドラッグの影響下にあったとされる25歳のEnacheは「重大な不正を行った」ステアウアに対し罰を与えたと供述している模様。ちなみに、男は独身で前科はなく、配達業に従事していたそうで、取調べには素直に応じているという。
また、今回の事件では警備の甘さも指摘されている。試合の危険度を考慮した地元警察の要望によって警備員35人が追加され、合計150人の警備員と25人の地元警官が投入されていたが、事件を防ぐことはできなかった。このような批判に対し、警備責任者は一瞬のスキを付かれたもので落ち度があったとは思わないと語っているようだ。
(筆:Qoly編集部 I)