2011年7月17日(日) - フランクフルト・スタジアム
Japan
2
1-1
ex. 1-1
PK 3-1
2
United States
宮間

80'
117'
得点者
69'
104'
モーガン
ワンバック


開催国ドイツ、アメリカをGLで破った強豪スウェーデンを破ってファイナルへと駒を進めた日本代表。決勝は優勝候補最有力のアメリカを相手に、これまでにないほどの厳しい戦いを余儀なくされた。前半は劣勢のなかで何とか失点を防いだものの、後半は先制点を許してしまう展開となった。

しかし2度のビハインドを跳ね返すと、最後はPK戦でGK海堀が鬼気迫る大活躍。3-1と最後のキッカーを待たずに勝利を決めた。日本サッカー史上初めて「ワールドカップ」と名が付いた大会を制覇することに成功し、ついにエンブレムの上に星マークを飾った。

前半は完全にアメリカのペースであった。彼女らは最終ラインを高く保ち、コンパクトにブロックを形成してきた。さらにサイドバックがあまり上がらず中から外にいいボールを出させない。一方、攻撃では徹底して外に一度開いて、ラインを押し下げると共に横に引き伸ばし、スペースを作って、中に当てる。ワンバックがターゲット兼デコイとなり、ガス欠覚悟で動くシャドーにチャンスを生み出す。つまり日本を良く研究したプレーをしていたといえる。

良さを消された日本はなかなか攻撃が機能せず、大きなピンチが連続して訪れた。海堀の好セーブやポスト、クロスバーに助けられなければ複数の失点を喫していてもおかしくなかった。前半を0-0で終えられたのは幸運としか言いようがない。

25分あたりから徐々にアメリカの勢いが落ち、スペースが生まれるようになってから、ようやくある程度ボールは動かせるようになった。しかしそれでも中盤で競り合うと奪われ、シンプルな仕掛けや飛び出しからのスピードに苦しんだ。

そして69分にはついに失点を喫してしまう。交代で入ったばかりの永里が全線でボールを収めたが、判断が遅くなってしまい、囲まれてボールロスト。カウンターで放り込まれたロングボールでモーガンに飛び出され、ゴールを破られた。

だが終盤になってお互いに運動量が落ち、スペースが出来たことによって日本にもある程度のチャンスが生まれ始めた。そして80分、粘りが同点ゴールを生んだ。右サイドからのクロスに、ニアに丸山が飛び込んで潰れ、その為にDFがクリアを失敗。こぼれてきたボールを宮間が詰め、ネットを揺らした。

さらに延長戦でも苦しい戦いは続いた。前半終了間際に、モーガンの仕掛けからのクロスを、ここまで消していたワンバックにヘディングで合わせられ失点。絶体絶命の状況となった。

しかし、試合終了間際の117分にドラマが起こる。宮間が左コーナーキックを蹴ると、ニアサイドに絶妙のタイミングで飛び込んだ澤が右足を伸ばし、アウトサイドでコースを変えた。これにDFとGKは反応できず、鮮やかにゴールに決まった。

さらに120分、ロングボールに飛び出してきたモーガンに対し、岩清水が体を張ってタックル。レッドカードを受けたもののペナルティエリアの外でぎりぎり止める事に成功。失点必至の大ピンチを防ぐ好プレーであった。

そして最後の最後で命を繋ぎ続けた勢いは、PK戦にも残っていた。再三ピンチを防いだ海堀がいきなりボックスのシュートを足で弾くと、さらにロイドに枠を外させ、ヒースのシュートを止め3連勝。2004年のアジアカップを思わせる神がかり的な守りでリードを奪う。

一方日本は宮間がトップバッターを務め、冷静に右に流し込んで成功させる。2人目の永里は失敗するも、阪口、熊谷がきっちりと2連続成功。、歴史的なワールドカップ獲得を決めた。

ツꀀ

なお、各賞は以下の通りとなった。

・FIFAフェアプレー賞 : 日本代表

・ゴールデンブーツ(得点王) : 澤穂希 / 日本(5得点)

・シルバーブーツ(得点ランク2位) : アディ・ワンバック / アメリカ(4得点)

・ブロンズブーツ(得点ランク3位) : マルタ / ブラジル(4得点)

・ゴールデングローブ(最優秀GK) : ホープ・ソロ / アメリカ

・ゴールデンシュー(大会MVP) : 澤穂希 / 日本

・シルバーシュー(MVP投票2位) : アディ・ワンバック / アメリカ

・ブロンズシュー(MVP投票3位) : ホープ・ソロ / アメリカ

・最優秀若手賞 : ケイトリン・フーアド / オーストラリア


(筆:Qoly編集部 K)

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