セリエAに変化が起きる様だ。7月5日にイタリアサッカー協会のミーティングが予定されており、EU圏外選手の移籍についてルール改正が行われると見られている。昨季までは1シーズンに1人の獲得までとされていたきたが、改正後は2人まで獲得出来るようになると考えられている。欧州カップ戦での低迷が続くイタリアとしては、力のある外国籍選手を受け入れる事で、再び「世界最高」と言われたリーグを取り戻そうと考えているのではないだろうか。
この動きはイタリア行きを夢見る多くの選手達に希望を与える事になるだろう。EU圏外選手である事はカルチョ・メルカートにおいてマイナス要因とされ、多くの選手がEU圏内のパスポートを獲得するのに躍起になってきた。先祖を遡り、本当かどうかもわからない様な書類を突き通してセリエAに参戦した選手は数知れないからだ。
セリエAのEU圏外選手の獲得に関するルールは多くの日本人選手に取ってマイナスに働いてきた。多くの選手が獲得候補に名を挙げられながら見送られてきたのは、1人しか獲得する事ができなかった事が大きな要因の1つであり、クラブ側としてはEU圏外選手はチームの核となる選手、つまり補強の目玉の獲得になるため慎重にならざるを得なかったのだ。
EU圏外枠のルール改正がなされたならば、日本人選手に大きな追い風が吹く事になるだろう。昨季の長友佑都の大ブレイクは日本人選手の評価を高めており、「第2の長友」を探していたクラブを後押しする事になるからだ。本田圭佑のユヴェントス入りの噂が報じられたばかりだが、ユヴェントスは補強へ追加予算を組んだばかりであり、EU圏外枠の増枠が本田移籍を後押しするかもしれない。
この改正を睨んで既に大きく動いているチームがある。昨季の優勝チームであるミランだ。ミランは既に新シーズンのEU圏外枠を既に消費している。マルセイユをフリートランスファーとなった左SBのタイェ・タイウォの獲得をシーズン終了直後に決めているのだ。市場はまだ2ヶ月以上あるのにミランがEU圏外枠を早々に消費したのは、タイウォがEUパスポートの取得申請を行っている点だけではなく、このルール改正を睨んでいたと見て良いだろう。何故ならミランはタイウォ獲得後もカカの復帰話やサントスのブラジル代表MFガンソの移籍話など多くのEU圏外選手と関連づけられており、最低でも1人はEU圏外枠を空ける事ができるというミランの計算が働いていたのではないだろうか。
なお、ミランは現在はガンソと同じサントスのダニーロに優先順位が変わったとイタリアの『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙が報じている。同紙によると、アッレグリ監督とガッリアーニ副会長が「ダニーロに恋した」と言われ、右サイドであればMFでもDFでもWGでもプレーできる逸材の獲得に前向きであるという。タイウォのEUパスポート取得が実現しない中で浮上したダニーロ獲得の噂は、7月5日の会議によってEU圏外枠が増枠される事を睨んでいると見て間違いないだろう。
(筆:Qoly編集部 N)
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