ジョゼ・モウリーニョが、この夏に大型センターフォワードの獲得を狙っているという話は周知の通りだが、その優先順位は低く考えていいかもしれない。それは、“モウリーニョの秘蔵っ子”とも呼べる、大器が既にこのクラブに所属しているからだ。
レアル・マドリーには、トップチーム直属のセカンドチーム、マドリー・カスティージャが存在し、彼らは現在3部リーグを戦っているが、このチームには数多くの才能が眠っている。今季、トップチームでのデビューを飾ったアルバロ・モラタ、パブロ・サラビアなどの名前はマドリディスタならずとも聞いたことがあるかもしれないが、彼らの力を上回るとも言われる若き点取り屋の存在も是非知って頂きたい。
彼の名前は、ホセ・ルイス・サンマルティン・マト。通称ホセルである。ユース年代にはセルタの下部組織に所属し、2004年からセルタのBチームでプレー。2009年にはトップチームに引き上げられるまでに成長すると、その将来性に目を付けたレアル・マドリーが獲得し、現在、2軍チームである、マドリー・カスティージャのエースとして君臨。洗練されたボールタッチ、両足から放たれる強烈なシュート、制空権の強さを活かし今季はここまで33試合に出場し14得点を記録。2部リーグ昇格を賭けたプレーオフ進出の大原動力となった。スペインU-19、U-20、U-21代表でも活躍してきた彼に掛かる期待は大きく、ジョゼ・モウリーニョも昨夏のプレシーズンマッチに帯同させたほどで、来季のトップチーム昇格を予想する専門家も多い。
彼らがビッグネームの獲得を逸る気持ちは理解できるが、外部に目を向ける前に、より内部に関心をもってもらいたいところだ。このクラブには、すぐに結果を求めることは酷かもしれないが、使い続けることで大きな成長を見込める英才がひしめいている事実を忘れてはならない。
(筆:Qoly編集部 T)