2011-12 欧州クラブの補強戦略を占う!! vol.1 (レアル・マドリー編)
日々、様々な移籍、退団の話が飛び交う中、Qoly編集部ではその情報を吟味した上で、大胆にも来季の欧州クラブの補強戦略を占ってみることにした。第一弾はレアル・マドリー編!!
今季を振り返る
クラブのシンボルだったラウールが去り、スペシャルな指揮官モウリーニョを迎えた今シーズン。愛弟子カルヴァーリョを含め6人の新戦力を加えて臨み、コパ・デル・レイこそ制したが、リーガではバルサの後塵を拝し続けた。ただ、イグアインの故障により、冬にアデバヨールを緊急補強したFWを除けば、補強面ではまずまずだったのではないか。カルヴァーリョのレギュラー固定はいうまでもなく、さきのW杯でセンセーショナルな活躍を見せたケディラ、エジルのコンビはチームに新風を吹き込んだ。ディ・マリアも攻守に渡り体を張ったプレーで貢献をみせている。ペドロ・レオンこそ戦力外的扱いになっているが、カナレスはまだこれからの存在。事実、イグアイン(ベンゼマ)、ロナウド、ディ・マリア、エジルらが繰り出す高速カウンターは破壊力抜群で得点を量産、相手チームの脅威となった。ただ、バルサ戦を前にしてペペを中盤で起用するなど守備面とのバランス取りには課題が残る。
来季を展望する
このオフシーズンの最大の注目は信頼できる選手がイグアインひとりしかいないCFの処遇・去就、そして補強だろう。
アデバヨールはこれまでチームになかった高さ・フィジカルという武器をもたらしたが、絶対的な存在とまではいかず、買い取るか否かは流動的といえる。ベンゼマもいまだその片鱗を時折みせるに過ぎず、物足りなさが拭い切れない。期待値からすれば覚醒を待ちたいが、いいオファーがあればクラブも放出について真剣に考えるだろう。補強ターゲットのなかで理想的なのはフェルナンド・ジョレンテ。この26歳の巨漢バスク人FWはビルバオで充実のシーズンを送っており、まさに今が旬。高さ・強さはもとより、最近足元の巧みさも一層増したことで、リーガ屈指の完成度を誇るCFに成長した。ただ、その獲得には3000万ユーロと噂される移籍金よりも、チームの顔を忌み嫌うマドリーに売るという決断をビルバオがするか否かに懸かっている。また、ジョレンテ以外の候補にはアグエロ、カバーニらがあがっているが、最近ではカピタンも務めるなど、名実ともにアトレティコのエースになりつつある前者の加入見通しは厳しい。というのも、これまでエースとして君臨してきたフォルランに陰りがみえ、実際にベシクタシュからのオファーもあり、放出の優先度でいえば31歳になるウルグアイ人にあるはず。ましてや2人同時の退団となるとなおさら考えにくい。より可能性があるとすれば、ナポリ躍進の立役者のひとりエディンソン・カバーニのほうだろう。1900万ユーロという値段に加え、パレルモ時代から見せる万能性は魅力的で、まだ24歳とノビシロも十分だ。
次にMFに目を移せば、ガゴの存在感が希薄になっている。指揮官の信頼が無かったわけではないが、負傷により出場数は数えるほど。実力的には問題ないが、こちらもシティなどからいいオファーがくれば放出の可能性がある。代わりにハビ・マルティネスを加えられればこれ以上ない補強だが、実現性を考えればカナレスの成長に期待するべきか。
最後にDFについて。放出候補に名を連ねているアルベロアだが、両サイドをこなす彼の存在は貴重であり、よほどのことがない限り手放すことは考えにくい。むしろ、L・ディアッラ、ガライ、アルビオルらが状況により務めた右サイドバックのバックアッパーは必要。すでに獲得が既成事実化しつつあるポルトガルの新鋭コエントランが加入し、マルセロが中盤へと再コンバートされるにしても右サイドのてこ入れは欠かせないはずだ。
入団候補リスト
ポジション | 名前 | 生年月日 | 国籍/代表歴 | 現所属 | 予想市場価格 | 入団の可能性 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
CF/ST | セルヒオ・アグエロ | 1988年6月2日 | アルゼンチン代表 | A・マドリー | 3600万竄ャ | 20% | |
CF/ST/SH | エディンソン・カバーニ | 1987年2月14日 | ウルグアイ代表 | ナポリ | 1900万竄ャ | 20% | |
CF | フェルナンド・ジョレンテ | 1985年2月26日 | スペイン代表 | ビルバオ | 3000万竄ャ | 40% | |
CF/ST/SH | ホセ・マリア・カジェホン | 1987年2月11日 | スペイン元U-21代表 | エスパニョール | 650万竄ャ | 40% | |
ST/CF/WG/SH | ネルソン・バルデス | 1983年11月28日 | パラグアイ代表 | エルクレス | 500万竄ャ | 30% | |
OH/CH | ダニエル・パレホ | 1989年4月16日 | スペインU-21代表 | ヘタフェ | 800万竄ャ | 20% | |
CH/OH/DH | ハビ・マルティネス | 1988年9月2日 | スペイン代表 | ビルバオ | 2000万竄ャ | 30% | |
CH/DH | ハビ・マルケス | 1986年5月11日 | スペイン | エスパニョール | 400万竄ャ | 30% | |
SB | ファビオ・コエントラン | 1988年3月11日 | ポルトガル代表 | ベンフィカ | 1650万竄ャ | 30% | |
CB | ジョン・テリー | 1980年12月7日 | イングランド代表 | チェルシー | 3500万竄ャ | 20% |
退団候補リスト
ポジション | 名前 | 生年月日 | 国籍/代表歴 | 噂される移籍先 | 予想市場価格 | 退団の可能性 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
CF | エマニュエル・アデバヨール | 1984年2月26日 | トーゴ代表 | マンチェスター・C | 1700万竄ャ | 70% | レンタルバック |
CF/ST/WG | カリム・ベンゼマ | 1987年12月19日 | フランス代表 | マンチェスター・U | 2500万竄ャ | 40% | |
OH/ST | カカ | 1982年4月22日 | ブラジル代表 | ミランなど | 4500万竄ャ | 30% | |
OH/CH | セルヒオ・カナレス | 1991年2月16日 | スペインU-21代表 | スペイン方面 | 600万竄ャ | 50% | |
SH/SB | ロイストン・ドレンテ | 1987年4月8日 | オランダ代表 | ユヴェントスなど | 450万竄ャ | 60% | エルクレスへローンアウト中 |
DH/CH/SB | ラサナ・ディアラ | 1985年3月10日 | フランス代表 | ミランなど | 1800万竄ャ | 40% | |
DH/CH | フェルナンド・ガゴ | 1986年4月10日 | アルゼンチン代表 | ミランなど | 900万竄ャ | 70% | |
SB | アルバロ・アルベロア | 1983年1月17日 | スペイン代表 | バレンシアなど | 1000万竄ャ | 30% | |
CB/SB | ラウール・アルビオル | 1985年9月4日 | スペイン代表 | ミラン | 1500万竄ャ | 30% |
※リストは記事作成時現在の情報を元にしています。
(筆:Qoly編集部 I)
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