[AFCチャンピオンズリーグ・エリート第4節、メルボルン・シティ 2-1 FC町田ゼルビア、11月4日、東京・町田GIONスタジアム]
Aリーグ・メン(オーストラリア1部)のメルボルン・シティはアウェイで町田に2-1で勝利を収め、ACLEで2連勝を達成した。
この日、後半アディショナルタイムに劇的な決勝点を挙げた男こそ、2018年3月から翌年7月までJ1浦和レッズでプレーした元オーストラリア代表FWアンドリュー・ナバウトだ。
大ケガを乗り越えて劇的決勝弾
後半25分から最前線で投入されたナバウトは、身体を張ったポストプレーでメルボルンの少ないチャンスを得点に結びつけようと奮闘した。
後半アディショナルタイムに、ゴール前の混戦で相手GKが弾いたこぼれ球を左足で押し込んだ。
ナバウトが蹴ったボールはバーに当り、そのままプレーが続行されていたが、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)でのオンフィールド・レビューの結果、得点が認められた。
ナバウトは「(VARチェックの時間は)長かったね。ハンドの判定かPKの判定かどうか確認していたんだと思う。そういうのを全部チェックすると時間がかかる。最終的にレフェリーは正しい判断をしたと思う。でもボールがラインを越えたのは確信していたよ」と、得点シーンを振り返った。
ナバウトは2019年7月に浦和を退団した後、母国へ戻りメルボルン・ヴィクトリー、パース・グローリーでプレーし、2020年から現在所属するメルボルン・シティに加入した。
だが、昨年11月のリーグ戦で左足の前十字じん帯を断裂して長期離脱を余儀なくされた。先月31日のリーグ戦が約1年ぶりの公式戦復帰だったが、復帰後2試合目となった町田戦で大仕事をやってのけた。
メルボルンの背番号15は「最高だよ!12ヶ月も怪我で離脱していたんだ。先週が12ヶ月ぶりの試合だった。本当に最高な気分さ。みんな本当に頑張って戦って、そして僕たちは勝利をつかんだ」と、プレーできる喜びを噛みしめた。
また同選手は自身が浦和でプレーしていたころのJリーグチームと町田を比較し、戦い方の違いを感じていた。
「日本のチームは技術重視だったけど、町田は激しいフィジカル戦を仕掛けてくる相手だった。でも選手たちは本当に良くやった。高いフィジカルと質を兼ね備えたチームが相手では非常に厳しい。町田はとても優れたチームだ。彼らの健闘を祈る」
大ケガから復帰したナバウトだが、来年北米で行われるFIFAワールドカップ(W杯)にオーストラリア代表での出場を諦めていない。
「この12ヶ月でたった2試合しか出場できていないから、とにかく全力で戦うだけだ。来年はW杯がある。とにかくピッチに立ち続けなくちゃいけない。ケガをしないように、コンディションを保ち、いいプレーを続ける。あとは流れに任せよう」
最後にナバウトは、古巣浦和のファンにメッセージを送ってくれた。
「(浦和は)本当に素晴らしいクラブ。ファンは最高だった。クラブでの時間は本当に楽しかったし、いまでもインスタグラムでたくさんのメッセージをいただいています。クラブも、ファンも、街も、日本も大好きです。皆さんのサポートに心から感謝しています。本当にありがとう!」
(取材・文 縄手猟)