J1から数えて“J4”に当たる全国リーグ「JFL」。その直下である9つの地域リーグは、すでに2025シーズンの全日程を終えた。

北信越リーグ1部では、富山新庄クラブが念願の初優勝を達成。クラブ史上初の全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(地域CL)出場を決めている。

一方、無念の2位に終わったのが、今や数少ない“Jなし県”の福井県からJリーグ参入を目指す福井ユナイテッドFC。経営難により解散したサウルコス福井の事業を継承し、2019年に設立されたクラブは、以降6年間で5度リーグを制してきた。

しかし今季、勝点1差でリーグ3連覇を逃すと、全国社会人サッカー選手権大会からの地域CL出場を目指したものの、1回戦で東京23FCにPK戦の末敗退している。

昨季は地域CLで決勝ラウンドへ進出し、JFL昇格にあと一歩まで迫った福井ユナイテッド。

こうした状況を受け、福井ユナイテッド株式会社の代表取締役社長兼GMを務める服部順一氏は20日、『2025シーズン公式戦終了のご挨拶』と題したリリースを発信した。

その中で、パートナー企業やファン・サポーター、地域からの支援・応援に感謝を述べつつ、藤吉信次監督4年目のもとで築いた成熟したサッカーと成長を振り返った服部氏。地域貢献活動や「青色蹴球祭」、アカデミーの躍進など成果も多く、クラブの存在意義を再確認したという。

一方で、トップチーム強化においては資金面の課題を抱えていることも明らかにしており、葛藤の中で、今後は「育成」を軸に地域と共に歩む方針を掲げ、昇格だけでなく福井のスポーツ文化発展を目指す姿勢を強調した。

「サッカークラブとしてのスタンスでは『育成』をクラブ運営の中心に位置づけ、アカデミーからトップチームまで一貫したクラブのアイデンティティを共有し、全国に、世界に出て行く選手育成を目指します。そのために必要なことを現在整理しており、アクションプランに反映させていきます。

パートナー企業の皆様に対しても、これまでの『支援』的な考え方も持ちつつ、企業のみなさんの課題解決のお役に立てるような提案をしていく活動を更に進めて参ります」

詳細はクラブのリリースで確認してほしいが、55歳の服部氏は過去にFC岐阜やV・ファーレン長崎で強化部長やGMを務め、いくつもの荒波を乗り越えてきたことで知られる。

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「勝つことだけ」「昇格すればいい」というスタンス“だけ”でクラブ運営で進めることのデメリットもよく理解しているだけに、福井ユナイテッドが今度どのようなクラブへと成長していくのか注目される。

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