本日6月8日は、附属池田小事件の発生から24年。

そこで今回は、2013年7月26日に配信した「リオ・ファーディナンド、附属池田小事件を語る」を再編集しプレイバックでお届けします。

事件を忘れていなかったファーディナンド

2013年7月、プレシーズンマッチのために来日したマンチェスター・ユナイテッド。

当時のチームには日本代表MF香川真司が所属していた。25日に行われたセレッソ大阪との一戦は2-2の引き分けに終わったものの、凱旋試合となった香川は同点ゴールをゲット。

試合後にはセレッソ大阪サポーターからも大歓声が湧き、大阪の地でユナイテッドの日本ツアーは閉幕を迎えた。

この試合が行われたのは、大阪長居スタジアムだ。

2002年の日韓ワールドカップからおよそ10年(当時)が経過し、多くの選手が初めて大阪の地に足を踏み入れた今回のツアーだったが、そんな中、あのリオ・ファーディナンドが重い口を開いた。

「随分と前にここ大阪を訪れた時、とある小学校で起きた殺傷事件が大阪中を震撼させていた。お亡くなりになった全ての方のご冥福をお祈りしたい。いつ思い出しても悲しいことだ」

2001年6月8日、大阪府池田市で発生した小学校無差別殺傷事件。

2000年代に世界最高峰のDFの一人だったファーディナンドは自身の思いをX(旧Twitter)に投稿し、この大惨事についてコメントしたのだ。

観光をキャンセルし、献花へ

当時の日本はコンフェデレーションズカップの真っ最中だった。

準決勝のオーストラリア戦は、大雨降り注ぐ横浜で中田英寿が直接FKを叩きこみ勝利。世界王者フランスとの決勝に向けて日本中が湧いていた。

その翌日、事件は起きた。

「犠牲にあった方々に献花をしたが、あれはとても辛い瞬間だった。そして今、自分が子供を授かっていっそう、そうした事件を恐ろしく感じるんだ」

2001年当時リーズに所属していたファーディナンドは、チームメイトでもあるアラン・スミスとともに来日。翌年に迫ったワールドカップの偵察の意味合いも込め来日し、束の間の休息をここ日本で過ごした。

6月10日、日本対フランスのコンフェデレーションズカップ決勝戦。横浜でこの試合を観戦していたファーディナンドは、試合前の黙祷で今回の事件を知る。

そしてこの翌日、当初予定していた京都への観光をキャンセルし、急遽付属池田小学校へと足を運び、校門前に献花をしたという。

この休暇にはファーディナンドの母親も同行していており、母親は京都観光を心から楽しみにしていたそうだが、ファーディナンドは「どうしてもあの小学校に行きたいんだ」と告げ、これに母親もこれに同調した。