元日本代表DF酒井宏樹が所属するニュージーランドのオークランドFC。
35歳になった酒井は今季からオーストラリアのAリーグに越境参戦している新設クラブの初代キャプテンを任され、主力として活躍を続けている。
リーグ参戦1年目のオークランドはレギュラーシーズン優勝という歴史的偉業を成し遂げたが、17日からはチャンピオンチームを決めるプレーオフ準決勝を戦う。
そうしたなか、仏紙『L'Équipe』は「オークランドFCは、リーグ1位なのにチャンピオンズリーグに出場できない世界で唯一のクラブ」という話題を伝えていた。
「昨年設立されたニュージーランドのオークランドFCは、今シーズンのオーストラリア・Aリーグのレギュラーシーズンで首位になった。しかし、元マルセイユの酒井宏樹が所属するこのクラブは、来シーズンの大陸チャンピオンズリーグに出場することができない。
オークランドFCは、オーストラリア・フットボール・リーグのリーグ拡張を受け、Aリーグに加盟した。この前例のない体制は、いくつかの想定外の状況を引き起こした。例えば、オーストラリア西海岸にあるパースは、オークランドでの試合でプレーするために5,300km以上を移動しなければならなかった。
オーストラリアはアジアサッカー連盟(AFC)に加盟しており、ニュージーランドはオセアニアサッカー連盟(OFC)に加盟している。AリーグでプレーするニュージーランドのクラブであるオークランドFCはお手上げ状態だ。
AFCはニュージーランドのチームを加盟クラブとして認めていない。オークランドFCは、AFCチャンピオンズリーグに加え、OFCからも追放されている。
オークランドFCとフェニックスFCはAリーグに加盟したことでプロ資格を得たため、ノンプロのチームだけが参加するオセアニア・チャンピオンズリーグへの出場資格も失ったのだ。
ニュージーランドの両クラブは、大陸の強豪チームと対戦できないだけでなく、チャンピオンズリーグでの成績によって出場資格が決まるFIFAクラブワールドカップへの出場権も失った。
リーグ戦23試合で3ゴール4アシストと素晴らしい成績を残している元マルセイユの酒井が、近いうちにヨーロッパのクラブと再び対戦することはないだろう」
オークランドとウェリントン・フェニックスは、ニュージーランドからオーストラリアのAリーグに越境参戦している。
ただ、加盟連盟の問題によって、アジア最強クラブを決めるAFCチャンピオンズリーグにもオセアニアチャンピオンズリーグにも出場できない。
フランスの名門であるマルセイユで通算185試合に出場した酒井が陥ったジレンマは、フランスでも話題になっているようだ。
なお、オーストラリアは2006年にオセアニアサッカー連盟からアジアサッカー連盟に鞍替えしている。