2022年にバルセロナのナイトクラブで女性に性的暴行を加えた罪で、2024年2月に懲役4年半の有罪判決を受けた元ブラジル代表DFダニ・アウヴェス。
保護観察5年、被害者に対する接近禁止9年、15万ユーロ(2433万円の)賠償金支払いも命じられたが、41歳の彼は控訴していた。
このほど、カタルーニャ高等裁判所は、全員一致でアウヴェスに無罪判決を下した。被害女性の証言は合理性に欠けると判断され、アウヴェスには1.1万ユーロ(178万円)の賠償金が支払われることにもなった(ただし、最高裁判所に上訴できる)。
『AS』によれば、スペインの副大統領を兼務するマリア・ヘスス・モンテーロ財務大臣は、「ダニ・アウヴェスへの判決は恥ずべきもの」と発言したという。59歳の大臣は、スペイン社会労働党の州大会でこう言い放ったとのこと。
「私たちはこの女性に伝えたい。私たちはあなたと共にいる。私たちは、我々全員の尊厳を取り戻すために巨人に立ち向かうすべての人々と共にいる。あなたは一人ではないと。
(今回の判決は)男女不平等の究極の表現であるジェンダーバイオレンスと闘うために私たちが経験してきたすべてのことを考えると、恥ずべきこと。
社会労働党が女性の権利を認め、賃金格差に対処し、年金を支給し、生涯を通じて差別されてきたこと、あるいは果たすべき役割を果たせなかったことを反映するあらゆることを行ってきたのに、なんという恥辱だろうか」
この発言は政争に発展しつつあるようだ。
バルセロナのバダロナ市長は「私たち全員にとっての問題は、この女性が政府の副大統領だということ。(今回の発言は)無知、権力、傲慢さが混ざり合った爆発的なもの」と批判。
また、国民党のスポークスマンも「国民には推定無罪を要求しつつ、判決がそれを支持すると、それを否定する。司法の決定も、議会の主権も、法律そのものも尊重していない」と社会労働党を非難したとのこと。