南米で、18歳のブラジル人選手が観客からの人種差別被害に遭い、インタビュー中に涙を流すという事態が起こった。
ブラジルメディア『Correio Braziliense』によると、トラブルが起きたのは6日、南米のユースチームのための国際大会であるU20コパ・リベルタドーレスにおける、セロ・ポルテーニョ(パラグアイ)対パウメイラス(ブラジル)の一戦。
試合は3-0でパウメイラスが勝利したが、試合終了間際、パルメイラスのMFフィゲイレドが交代でベンチに下がる際、子連れのポルテーニョサポーターが選手に向かって猿のようなジェスチャーをしている様子がカメラに映し出されたという。
この場面以外でも、観客席から選手に向かって唾を吐くなどの行為が行われており、試合後、U17ブラジル代表でのプレー経験もあるパウメイラスのFWルイージは自身も被害にあったことを審判に伝えた。
ベンチで涙を流していたルイージは、試合後に涙をこらえながらもインタビューを受けた。
試合内容に関する質問を試みた記者に対し、「僕たちに対する人種差別行為について質問しないんですか?」と問うと、以下のように続けた。
「僕たちはいつまでこれに耐えなければいけないんですか?彼らが今日、僕にしたことは犯罪です。それでも試合について質問してくるんですか?
CONMEBOL(南米サッカー連盟)やCBF(ブラジルサッカー連盟)はこれにどう対処するんですか?
僕らはまだアカデミーの選手なんですよ」
18歳のルイージは声を震わせながらも、力強く語った。
事態を受け、パウメイラスは声明を発表。差別を非難し、罰則を求めるとともに、被害を受けた選手へのサポートを示した。
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また、サントスやサンパウロ、コリンチャンスといったブラジルの他のクラブも連帯を表明し、人種差別に立ち向かう姿勢を示した。