欧州サッカー連盟(UEFA)は選手たちの年俸が高くなっている現状に注意を呼びかけた。7日、スペイン『マルカ』が伝えた。
UEFAはクラブライセンスベンチマークレポートを公開。ヨーロッパにおけるサッカー界の現状を分析したそのレポートでは、「ほとんどのクラブは選手の給与増加に対して責任を持って管理しているようだが、その他のコストは急速に上昇しており、これまで以上に営業利益率に大きな圧力がかかっている」とクラブ運営に対するコメントを発表した。
UEFAのアレクサンデル・チェフェリン会長は「ヨーロッパのサッカーへの関心はかつてないほど高まっており、ヨーロッパ全土で観客動員数記録が破られている」とコロナウイルスによるパンデミックから、スタジアムに観客が戻っていると主張。それにより、各クラブは収益面での恩恵を少なからず受けているようだが、油断はできないという。
トップリーグのクラブの給与は2023から24年に180億ユーロ(約2兆8千億円)に達し、前年比6.5%増。いくつかのリーグでは給与水準が依然として維持不可能な値にあり、ベルギーとトルコのクラブでは収入の86から88%、ギリシャのクラブでは98%が給与に消えている。
なお、UEFAの公式データによると、2023-24シーズンに選手の給与へ最も多くのお金を費やした10チームは、PSGの6億5800万ユーロ(約1000億円)がトップ。続いてシティが5億5400万ユーロ(約880億円)、レアル・マドリーが5億5000万ユーロ(860億円)、バルセロナが4億7600万ユーロ(約760億円)、リヴァプールが4億4900万ユーロ(約710億円)、バイエルン・ミュンヘンが4億3000万ユーロ(約696億円)、マンチェスター・ユナイテッドが4億2900万ユーロ(約680億円)、チェルシーが3億9500万ユーロ(約630億円)、アーセナルが3億8100万ユーロ(約610億円)、アストン・ヴィラが2億9200万ユーロ(約460億円)となっている。
また、4つのクラブ(PSG、チェルシー、アヤックス、オリンピック・リヨン)は5000万ユーロ(約80億円)以上の営業損失を報告しており、今後の動きに注目が集まる。