29日、今月末をもって現役を引退することが所属の日テレ・東京ヴェルディベレーザから電撃発表された元なでしこジャパンMF木下桃香。
18歳で2021年の東京五輪に出場した逸材は、2年連続でWEリーグベストイレブンを受賞するほどの活躍を見せていただけに、引退の報は驚きを持って受け止められた。
木下自身は引退を決めた理由についてリリースの中で以下のように綴っている。
「これまでサッカーのことを常に考えて生きてきましたが、自分の人生を考えた時、プロサッカー選手としてプレーすることが必ずしも1番ではない自分に気がつきました。次の道を完全に決めたわけではありませんが、サッカーから離れ、自分と向き合う時間をつくりたいという思いから、この決断に至りました。
今シーズンこそリーグ優勝を掲げていた中、サッカーという形で恩返しすることができず、申し訳ない気持ちでいっぱいですが、今の自分が精一杯考えて出した答えです」
以前クラブ公式のインタビューで木下は、サッカー以外にもやってみたいことがたくさんあると語っており、今回の決断にもそうしたことが大きく影響したのかもしれない。
一方で、ベレーザとその下部組織メニーナ、そしてなでしこジャパンの先輩であるFW田中美南は、30日に自身のXを更新。クラブ公式の引退リリースを引用する形で「この理由ならせめて今シーズンは覚悟持ってやり切る桃香がみたかった」と反応していた。
10番を背負う木下は今季も試合出場を重ねていただけに、このタイミングでの引退がチームに与える影響は小さくないはず。木下をよく知る田中だからこその“素直な想い”と言えそうだ。
WEリーグ創設から3シーズン連続で3位に終わっている日テレ・東京ヴェルディベレーザだが、今季は11節終了時点で首位に立っている。