欧州No.1クラブを決めるUEFAチャンピオンズリーグの2024-25シーズン。

大会は新方式として導入されたリーグフェーズの6試合が終了、遠藤航が所属するリヴァプールが唯一の開幕6連勝で首位を走り、バルセロナ、アーセナル、レヴァークーゼンと各国の強豪が続いている。

一方、前回王者レアル・マドリーや優勝候補と目されたマンチェスター・シティ、パリ・サンジェルマンなどは中位以下と苦戦。特にシティとPSGは来年1月に直接対決を残しており、リーグフェーズで敗退する可能性すら出てきている。

そうしたなか、日本では先日、欧州サッカーのレジェンドたちが集う「DIAMOND CUP OF LEGEND」が開催。

来日した元スペイン代表のレジェンド、ダビド・シルバにCLを日本で独占放送・配信するWOWOWが単独インタビューを行った。

10シーズンプレーした古巣マンチェスター・シティについてや、1シーズンと短い期間だったがレアル・ソシエダで一緒にプレーした日本代表MF久保建英、「日本人選手が欧州の舞台で活躍するために必要なこと」などについて聞いていたので紹介する。

久保は「とても面白い子」

――昨年のシーズン前にケガで現役を引退されましたが、引退後はどう過ごしていますか?

「1年間は膝のケガからの回復に努めていたが今年は家族やまだ幼い子ども達と時間を過ごすようにしている。それまではあまり自分の時間がなかったから彼らと過ごせることを楽しんでいるよ」

――試合を追っているチームはありますか?

「所属していたチームはいつも追っているよ。やはり自分がプレーしていたチームには特別な愛情があるから彼らの試合を一番追っている」

――今季のマンチェスター・シティをどう見ていますか?

「良いと思うよ。今は流れが悪いけどここ数年とても調子が良いと思う。僕がいた2010年からの変化はすごいし、ここ最近も決勝に何度も進出しそこで勝っている」

――今も連絡を取り続けている選手はいますか?

「今でも仲の良い多くのチームメイトと連絡を取り合っていてかなりよく話すよ。ストーンズやデ・ブライネ、そしてレアル・マドリーのブライム・ディアスら、数人かな」

――プレミアリーグもEUROもW杯も制覇しているあなたからみてCLの難しさはどこにあるのでしょう?

「そうだね…。EUROやW杯と同じくトーナメント戦で1試合に負けるともう終わりだから難しい。ラ・リーガなら38試合を戦うが、CLやELのような大会は1試合でつまずいたり、何かが起こってしまったりすると、もうお終いだ」

――中村俊輔、長友佑都、香川真司など身長の低い日本人選手らがCLを戦ってきたが彼らの印象は?

「とても良い印象を持っている。日本のチームとも戦ったことがあるし、最後はタケ(久保建英)になるがチームメイトもいた。彼らは桁外れに素晴しいクオリティをもち、サッカーが巧くフィジカルも強靭でレベルが高いと思う。しかも競争力をどんどん高めてきている。結局はハイレベルであることに加えて高い競争力が必要だから(日本人選手は)それを達成しているところだと思う」

――レアル・ソシエダで共にプレーした久保があなたから多くを学んだとインタビューで話していました。彼についてどんな思い出をお持ちですか?

「彼の才能やプレーはもちろんだが、彼がとても面白い子なのもとても良いこと。そのカリスマやポジティブさが周りに伝染していてとても良いと思う」

――具体的なエピソードや会話の内容は覚えていますか?

「彼が冗談を仕掛けていたのは他のチームメイト達だったんだけど、僕にはもう少し敬意をもって接してくれていた。僕は彼よりかなり年上だからね。彼が幼いころに僕のプレーを見ていたことも影響してるかな(笑)。でも彼とは良い関係で、助言することで助けになりたかったんだ。若いうちは誰でも助言を必要としているから、僕も若い頃に助言をもらったように彼の助けになれるようできる限りのことをしたつもりだよ」

――彼は「急ぐな。ゆっくりいけ」というあなたの助言を今でも大切にプレーしているそうです。

「そういった意味で常に助けになりたいとは思っている。若いと経験していない状況が多い。少しずつ経験を重ねていかなければならないが、誰か助けてくれる人がいるならその方がずっと良い。一旦止まったり、スピードを緩めたりする強弱が必要な状況があったのかもしれないね。時間と共に身に付くことだが、僕自身も既に経験していたから助言で彼を助けられるよう常に努めていたよ」

――日本人選手は例えば欧州の選手と比べて体格は大きくありません。体格としては日本人に近いあなたから彼らに伝えることがあるとしたら?

「フィジカルに関する強みとは、つまり自分の身体をどう使いこなすべきかを把握していることだと思う。だから僕の長所の一つは自分の身体の使い方を分かっていたということだと思う。欧州のフィジカルは日本にはないものかもしれない。だから欧州に出ていく時や彼らを相手に戦う時には自分の身体を上手く使うこと。身体の小さい選手にとってはそれが結局はとても重要なことだと思う」

――CLは日本でも観戦ができ、多くのサッカーファンが世界最高峰の試合を楽しんでいます。視聴者がCLで注目すべきは?

「CLというのは最高峰のチーム同士の戦い。結局注目すべきはそれぞれのプレーや各チームのスタイルだろうね。そこから自分の中で結論を出していく。サッカーファンの一人ひとりに好きなサッカーがあり、だからこそそれぞれ応援するチームがある訳だよね。色んなチームの異なるプレーのやり方に注目して自分の好みはどれか把握する。そしてそれぞれのスタイルで試合を楽しむことかな」

いよいよ佳境を迎えるチャンピオンズリーグのリーグフェーズ。

来年1月に再開される残り2試合の戦いで、8位以内に入り決勝トーナメントにストレートインするのはどのチームになるか。またマンチェスター・シティなど苦戦が続く強豪チームは悪い流れを断ち切ることができるのか注目が集まる。

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なお、ダビド・シルバへのインタビューの模様は、本日12月13日(金)午後11時からWOWOWで放送・配信する番組『チャンピオンズリーグダイジェスト!』の中でたっぷりと紹介される予定。

ダビド・シルバと同じ時代にプレミアリーグに所属していた、横浜F・マリノスの宮市亮もゲスト解説として番組を盛り上げるとのことなので、お楽しみに。

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