日本代表ではエースFWに君臨する上田綺世だが、所属するフェイエノールトでは控えに甘んじている。
この夏のステップアップが噂されていたメキシコ代表FWサンティアゴ・ヒメネスが移籍しなかったためだ。彼はプレミアリーグ下位のノッティンガム・フォレストへの移籍を断り、フェイエノールト残留を選んだ。
『ESPN』のアナリストたちは、ヒメネスと上田をめぐるフェイエノールトのジレンマについてこう話していたそう。
「半年前から言ってきたことだ。フェイエノールトは(上田を起用することで)ヒメネスの価値が下がることを恐れている。彼(ヒメネス)は頭痛の種になり始めている。上田を投入できるが、そうすればヒメネスを失うことになる。上田を起用するなら、5試合は与えたい」
「彼の中国戦を見たが、何もできなかった。日本は7-0で勝利したが、彼は得点しなかった。バーレーン戦ではいい2ゴールを決めたがね」
一方、かつてフェイエノールトなどでプレーしたカリム・アル・アハマディは、「トップクラブでプレーするなら、ストライカーとして20~30分の出場でスタメンになれるという何かを見せなければいけない」と指摘。
また、元DFのケース・クワクマンは、フェイエノールトがお金のことも考えていると述べていた。
「クラブの経営陣は、こう思うだろう。昨季は3000万ユーロ(48億円)のオファーがあったヒメネスをベンチに座らせ、上田の状況が好転したらどうなるか?何が残るのか?だが、上田もこう思うはずだ。『いつになったら自分にチャンスがくるのか』とね」
なお、フェイエノールトは、ヒメネスの移籍を見越して、上田の控えになるアルゼンチン人FWフリアン・カランサを獲得していた。彼もヒメネス残留によって出場機会がほとんどないため、クラブに状況を問うたと伝えられている。