[総理大臣杯2回戦慶應義塾大(関東2部)1-2早稲田大(関東2部)、6日、宮城・セイホクパーク石巻フットボール場
総理大臣杯で実現した早慶戦に惜敗した慶應義塾大。試合開始早々の前半4分にカウンターからMF香山達明(4年、埼玉・慶應義塾志木高)が頭で先制弾を突き刺したが、前半41分に追いつかれ、後半29分に痛恨の失点を喫して敗退が決まった。
欧州移籍したエースの穴は埋めたが、課題の守備で涙
J1横浜F・マリノスに加入内定を受けていた慶應が誇る屈指の点取り屋であるFW塩貝健人(2年、東京・国学院久我山高)が先月28日にオランダ1部NEC加入が発表された。
大学を休学し、ソッカー部を退部してストライカーは渡欧した。昨季は関東大学3部で得点王になったエースFWの不在は大きいように思えたが、中町公祐監督は新しい攻撃のデザインを組んで決戦に臨んだ。
「健人はもちろんいい選手ですけど、彼がいなくてもデザインされた攻撃は練習してきました。きょう見ていても数多くチャンスを作れました」と指揮官。多彩な攻撃でチャンスを多く創出し、早稲田大と互角の勝負を演じた。
突出した個人能力を持つストライカーがいなくても、慶應義塾大はその穴をカバーできる選手たちは揃っている。実際にこの日も香山が得点を奪って先制に成功するなど、早稲田大を圧倒する局面もあった。
この日最終ラインからチームを統率したDF山口紘生主将(こうせい、4年、東京・国学院久我山高)は「もともと健人ありきでチームを作っていたつもりはなくて、11人でサッカーを作る中の1人、個がある選手として健人がいたという認識です。
代わりに入った(FW柳瀬)文矢(3年、東京・駒澤大高)、(FW藤井)漱介(そうすけ、2年、静岡学園高)と下級生の選手が1回戦で結果を出してくれました。きょうも香山がしっかりゴールを取ってくれて、攻撃の部分は他の選手でカバーできていると思います。
ただ一方で課題である守備の部分、それ以外の小さなミス、技術的部分で結果があまりついてきていない現状があると思います。もちろん健人のところも埋めつつ、それ以外の部分に目を向けて成長していきたいです」と課題を明かした。
攻撃面は塩貝の不在を感じさせない質を見せた一方で、守備の部分で課題を露呈した。
この日は隙を突かれる形で同点に追いつかれ、試合終盤に決勝点を奪われてしまった。守備に泣く形で敗れたが、イレブンは課題を理解しており、大会後に修正と改善に取り組む構えだ。