イングランドプレミア1部のサウサンプトンへの完全移籍、ギョズテペSK(トルコ)への期限付き移籍が発表された松木玖生の活躍に、FC東京の長友佑都も太鼓判を押した。


松木の“壮行試合”となった13日の対アルビレックス新潟戦(国立)の試合後に囲み取材に応じた長友は、「その可能性は無限大。サッカー選手としての実力ももちろんですし、“強さ”やパーソナリティーという意味でも、今後の活躍が非常に楽しみであることは間違いない。これからの日本サッカー界の宝だなと思います」と、欧州挑戦を決めた松木に向けてエールを送った。

明治大学を経て、2008年にFC東京に入団した長友は、2010年6月の南アフリカW杯での活躍が認められ、その年の夏に当時イタリア・セリエAに在籍していたチェゼーナに移籍。インテル(イタリア)、ガラタサライ(トルコ)、マルセイユ(フランス)と欧州各国で11年にわたってプレーし、2021年9月にFC東京への復帰を果たした。

2024-25年シーズンの松木は、英国の就労ビザ取得が難しかった背景もあり、サウサンプトンのオーナー・ドラガン・ショラク氏の企業が所有するトルコ1部のギョズテペに期限付き移籍し、デビューを果たすこととなるが…。かつてトルコの強豪ガラタサライでプレーした長友は、同国の印象を次のように語る。


「トルコは親日国で、サッカー熱が非常に高い。(松木も)すごく温かく迎え入れてもらえると思う。彼も“激しさ”を売りにしていますが、ガラタサライやフェネルバフチェなどの強いチームとの対戦や、日本ではなかなか感じられないようなアウェイでの熱狂を感じながら、その強みをさらに伸ばしていってほしい。きっと彼なら1年でステップアップして、“黄金の道”を歩んでいってくれるんじゃないかなと思います」と期待を寄せた。


想像できない厳しさが待ち受けている


だが、言語の違いやさまざまな壁を感じることも多い海外でのプレーには、ピッチ内外で想定外の事態も起こりうる。欧州でプレーしていた頃には、一緒にプレーした選手との微笑ましいやりとりが度々話題に上がった長友は、“コミュ力ナンバーワン”を自称しているが……。松木の“コミュ力”についても言及した。

「僕とは違うコミュ力ですけど、彼は芯の強さと男気、そして優しさもあるから、きっと受け入れられるでしょう。自分への厳しさと周囲への優しさがないと、キャプテンは務まらないですから。これからは“助っ人外国人”として見られることになるので、これまでに想像できなかったような厳しさが待ち受けていると思う。でも、彼ならやれるでしょう。最低10年は向こうで戦ってきて欲しいなと思います」

14年前に大きな志を抱いて海を渡った37歳は、「FC東京で1番の選手になる」と意気込む後輩の背中をそっと後押しした。

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