2023年シーズンで26年間に渡ったプロ生活を引退した元日本代表MFの遠藤保仁。

高い技術とパスセンスで試合をコントロールし、ワールドカップ(W杯)には2006年ドイツ大会から3大会連続で日本代表に選ばれ、歴代最多152試合に出場したまさに「日本の心臓」。Jリーグでも通算776試合出場の大記録を打ち立てた。

そんな遠藤がキャリアの中で最も輝いていたと言えるのが、今から10年前の2014年シーズンだ。

34歳でJリーグMVPを獲得、国内三冠も達成

2014年、当時ガンバ大阪に所属していた遠藤は日本代表でブラジルW杯に出場。鹿児島実業高校時代にサッカー留学も経験した思い出の地で、3度目の世界最高峰の舞台に立った。

W杯ではグループリーグ敗退と結果を残せなかったが、帰国後はJリーグにその悔しさをぶつけた。J2からJ1への復帰1年目だったガンバをキャプテンとして牽引。一時は16位に沈んでいたガンバを押し上げ、ナビスコカップ(現ルヴァンカップ)で優勝すると、9年ぶりのリーグ優勝、天皇杯も制して史上初となる昇格1年目の国内三冠を達成した。

遠藤はこのシーズンのMVPを獲得。「サッカーは年齢じゃないということを証明し続けたいと思います」と受賞のスピーチで語ったが、その言葉通り43歳で引退するまで高い技術を見せ続けた。