ヨーロッパサッカーの祭典「UEFA EURO 2024」が6月14日に開幕する。そこで、開幕を前に、今大会の注目チームを紹介していきたい。

最初に挙げるのはフランスだ。

世界最高のサッカープレーヤへの階段を着実に登っているキリアン・エムバペ(PSG→来季レアル・マドリー)をはじめ、アントワーヌ・グリーズマン(アトレティコ・マドリー)、オリヴィエ・ジルー(ミラン→来季ロサンゼルスFC)など世界の最前線で戦う選手が集うこの攻撃陣の破壊力は抜群。

さらに、中盤にはエンゴロ・カンテ(アル・イティハド)が2年ぶりの代表復帰。無尽蔵のスタミナを持ち、フィジカルの強さとボール奪取力に長けているこの男の存在は大きいはず。最終ラインにもウィリアン・サリバ(アーセナル)、ジュール・クンデ(バルセロナ)などのタレントが揃っており、優勝に向けた布陣は万全だ。

ディディエ・デシャン監督がよく使うフォーメーションは4-3-3と4-2-3-1の2つであるが、多用しているのは後者のほうだ。

この4-2-3-1のシステムでキーマンとなるのが、ゲームの組み立てから点取り屋まで攻撃の幅広いポジションで活躍できるグリーズマン。エムバペなどのスピードのあるウィングを有効に活用するためには、パスを散らせる彼の存在が欠かせない。

グリーズマンが交代した場合、4-3-3でボランチ1枚にインサイドハーフ2枚の中盤の形になる。またグリーズマンはビルドアップの際にもポジションを少し下げてボールを繋ぐ役割をしているため、彼1人が抜けるだけでフランス代表の良さがかなり減ってしまう。

33歳の司令塔の抜けた後の戦い方が課題となっているが、どのように対応してくるかに注目が集まる。

世界屈指のタレントを揃え、今大会で悲願の初優勝を目指すイングランドも外せない。

大エース、ハリー・ケイン(バイエルン)を中心とし、今季キャリアハイの22ゴールを奪ったコール・パーマー(チェルシー)、プレミアリーグのアシスト王オリー・ワトキンス(アストン・ヴィラ)など攻撃陣はプレミアで活躍した選手を招集。

守備では安定して招集されているジョン・ストーンズ(マンチェスター・シティ)やマーク・グエイ(クリスタル・パレス)、エズリ・コンサ(アストン・ヴィラ)らが順当に招集。こちらも抜け目がない最高のメンバーを揃えた。

ギャレス・サウスゲイト監督のイングランドは4-2-3-1を採用し、ビルドアップを中心としたポゼッションサッカーを展開している。

特に重要になるのが2列目の選手の役割で、EURO前の最終戦であるアイスランド戦では左にアンソニー・ゴードン(ニューカッスル)、中央にフィル・フォーデン(マンチェスター・シティ)、右にパーマーを起用したが、うまく攻撃に持っていけずまさかの完封負けを喫した。

イングランドのようにフォワードに絶対的なストライカーを配置し、サイドにボールを持てる選手が多くいるならば、中央にはエベレチ・エゼ(クリスタル・パレス)やジュード・ベリンガム(レアル・マドリー)を起用してボランチとのポジション関係の調節などの役割を担わせたほうが攻撃は厚くなり、怖さが増すだろう。

サウスゲイト監督が2列目の中央に誰を起用するのか本大会では注目だ。