株式会社NTTドコモを代表企業とし、前田建設工業株式会社、SMFLみらいパートナーズ株式会社、公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)の4社が構成企業として参画するコンソーシアム「国立競技場 × Social Well-being グループ」は3日、独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)が進めている「国立競技場運営事業等」に係る公募手続きにおいて、5月29日に優先交渉権者として選定されたことを発表した。

今後、2025年4月からの国立競技場の運営に向けたJSCとの実施契約の締結を進めていくという。

この事業は、「国立競技場をスポーツ振興の中核拠点として運営するとともに、日々人々が集まり長く愛されるスタジアムとすることを目指し、民間事業者のノウハウと創意工夫を活用した効率的な運営や利用促進による収益拡大などを図ることにより、国民の利益につなげること」を目的としたもの。

事業の主体となるコンソーシアムは、3つの「CHANGE」を事業ビジョンに掲げた運営を通じ、国立競技場を起点として生まれる人と人とのつながりによる幸福「Social Well-being」の実現を目指す。

■CHANGE1:グローバル型のビジネスモデル導入による経営革新

・プロ/アマチュアのスポーツ大会に加え、国内外の有名アーティストによるコンサートやフェスなど多様なイベントの開催
・大型ビジョン・グループ席の新設、VIPルームの増設など、グローバル水準の体験価値を実現する大規模投資

■CHANGE2:国内スポーツ界の発展を牽引する、スポーツの聖地化

・最適なピッチコンディションの維持などによる快適な競技環境の整備
・スポーツ大会の決勝戦、日本代表戦など国内外の大規模大会の積極的な開催

■CHANGE3:ボーダレスなつながりと交流を生み出す、国民に愛されるスタジアム

・次世代コミュニケーション基盤「IOWN®」(※)の導入によるスマートスタジアムの実現
・スポーツ・音楽・その他さまざまなコンテンツを掛け合わせた総合エンターテイメントイベントの開催

※IOWNとは光を中心とした革新的技術を活用し、これまでのインフラの限界を超えた高速大容量通信ならびに膨大な計算リソース等を提供可能な、端末を含むネットワーク・情報処理基盤の構想。

なお、JSC側の発表によれば「国立競技場運営事業等」に係る公募に参加したのは3つのグループ。「国立競技場 × Social Well-being グループ」はその中で最も高い評価点(500点中464.82点)を獲得し、優先交渉権者に選ばれた。

事業期間は2025年4月から2055年3月の30年間(予定)。運営権対価として528億円(消費税等を含む)が事業者側から支払われるとのこと。

「国立競技場 × Social Well-being グループ」の提案内容について、JSCの芦立訓理事長は「具体的には、地域住民や国民が参加できるスポーツベント利用から世界トップアスリートの利用まで、様々なシーンでのスポーツを核とした利用に加えて、先端的な技術の活用、ホスピタリティサービスやネーミングライツの導入、日常的なにぎわいの創出など、多彩な内容のスタジアム運営事業が提案されています。そして、これら提案内容は、いずれも、スポーツ庁が掲げるスタジアム・アリーナ改革の方向性に沿ったものであると存じます」と語っている。

新国立も?陸上トラックを撤去して「サッカー専用」になったスタジアム10選

交渉が順調に進めば、2024年6月に基本協定締結、同年9月に実施契約締結、そして2025年4月に運営開始という事業スケジュールとなる。

【厳選Qoly】フランス代表、「EURO2024に出場できない6名の招集漏れスターたち」